VMware NSX Portal | ネットワークのコストを削減したい
NSX導入で変わる、ネットワーク機器の選定
「NSXを使った理想のネットワーク実現」や「ネットワークを自由に変更したい」では、NSXのオーバーレイネットワークを使用することで、物理ネットワークに縛られずに論理的なネットワークを構築することができることをご紹介しました。
ルーティングやスイッチングの機能はNSXが提供するので、物理ネットワークは単に通信を行うだけの土管のような役割になります。なので、これまでのような高価な物理ネットワーク機器は必要なくなるのです。
今回は、NSXと安価なベアメタルスイッチ(ホワイトボックススイッチ)を活用した、コスト削減方法をご紹介します。
ベアメタルスイッチとは
ベアメタルスイッチ(ホワイトボックススイッチ)とは、OSが載っていないネットワークスイッチです。
今までのネットワークスイッチは、ソフトウェアとハードウェアが一体化しているため、ユーザーによる機能追加やコスト削減には限界がありました。
これに対しベアメタルスイッチは、ハードウェアにOSが載っていないため、ユーザー自身でネットワークOSを選択・開発することができます。今までのネットワークスイッチでは実現できなかった機能追加も、比較的容易に実現することが可能です。
ベアメタルスイッチによる新たなメリット
スイッチのハードウェアとネットワークOSが分かれていることは、大きなメリットを生み出します。ハードウェアコストは通常のネットワークスイッチに比べて格段に安価に入手することができますし、いくつものネットワークOSから、自社に一番適したOSを選択することができるので無駄がありません。
予算と求める機能によって柔軟に組み合わせることができるのです。
大幅なコスト削減を実現適正でかつコストパフォーマンスに優れた価格で調達することが可能になります。例えば、Quantaのベアメタルスイッチであれば従来の10Gスイッチと比較し、半額以下の価格で購入することが可能です。 |
ネットワークOSを選択できるハードとソフトが分離されることにより、ユーザー自身が使用用途や予算に応じてネットワークOSを選択できるようになります。 |
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ベアメタルスイッチの種類
ネットワールドでは、MellanoxやQCTなどのベアメタルスイッチを取り扱っています。どちらもOSのブートローダーであるONIE(Open Network Install Environment)を搭載しているので、ネットワークに接続するだけでネットワークOSをインストールすることができます。
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ネットワークOSの種類
ベアメタルスイッチに載せるOSは、どのOSでも使えるわけではありません。ベアメタルスイッチ向けに開発されたネットワークOSのみが利用できます。
北米のメガデータセンターやクラウド事業者では、独自にネットワークOSや必要な機能を開発し、運用しています。一般的にはネットワークOSベンダーで販売しているOSを購入し、使用することができます。
現在、日本で取扱いのある主なラインナップは下記の通りです。ユーザーのニーズに応じて様々な種類から選択することが可能です。
Cumulus | Gigamon | Big Switch | Pica8 | IP Infusion |
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運用管理を一元化 オープンな Linux OS スイッチ |
効率的にパケットを集約する TAP スイッチ | SDN 対応スイッチ | OpenFlow 対応スイッチ | サービスプロバイダ―向けスイッチ |
例えば、Cumulus Linux であればサーバーに加えてスイッチも「Puppet」や「Chef」など構成管理ツールから自動で設定可能となり、複数台のスイッチの設定工数や設定ミスを削減することができます。
NSXで利用する機能
ベアメタルスイッチを導入する場合、NSX側では「分散論理ルーター」と「分散論理スイッチ」の機能を利用します。これにより、物理ネットワークから高度なネットワーク機能を切り離し、論理的なネットワーク環境を構築することが可能になります。
「分散論理ルーター」と「分散論理スイッチ」は、NSXの最も下位エディションである NSX Standard版から利用できるので、ベアメタルスイッチによって削減できるコストでNSXの予算を確保しやすくなります。
もちろん、将来的にNSXのロードバランサ機能やマイクロセグメンテーションが必要になった場合、ライセンスのアップグレードも可能です。
NSXでネットワークのコスト削減を実現!
ベアメタルスイッチとNSXを組み合わせることで、ネットワーク機器のダウンサイジングとネットワークのオーバーレイ化を実現できます。
また、ネットワークの管理性や変更スピードなどもNSXによって向上するため、 ITリソースを迅速に提供できるようになります。
今後の運用コストの削減も見込みつつ、よりビジネスに貢献するネットワーク環境を構築することが可能になるソリューションです。