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「IPv6対応」と「バーチャルアプライアンス化」は必須。でも高機能なだけじゃだめ?SLBの現状と今後求められる条件とは

負荷増に日々悲鳴を上げるサーバの強い味方がSLB

ネットショッピングをはじめとするコンシューマ向けはもちろん、企業向けの業務システムでも利用が広がっているWebシステム。そのサーバ構築・運用を担う担当者は、ある危機と日々戦い続けている。その危機とは--サーバの負荷増大である。

最近よく聞く「ビッグデータ」という言葉に象徴されるように、多くの分野でのWeb化によりサーバで扱うデータ量が爆発的に増えている。特に昨今のスマートフォンやソーシャルゲームの普及はこれに追い打ちをかけ、担当者はいつサーバの許容を超えてしまうのかと綱渡りの毎日である。もし、負荷が高まりすぎてサーバがダウンすれば、ショッピングサイトにせっかく買う気満々で訪れた顧客が「あれっ? サイトがつながらない」→「他のサイトで買うか」となり、ビジネスに大きな穴を空けてしまうだろう。

そんなサーバの不安を解消してくれるのがサーバロードバランサー(以下、SLB)だ。複数台のサーバで構成されるWebシステムにおいてフロントに位置し、トラフィックに応じて、バックエンドの適切なサーバにアクセスを振り分けることで負荷を分散する。その上、決済や個人情報を扱うのに欠かせない通信暗号化の仕組みであるSSLの重たい処理も肩代わりしてくれるなど、サーバの強い味方なのである。

調査からわかるSLBのいまコストパフォーマンス重視

Q1 あなたが関与されているウェブサイトやインターネットシステムでは負荷分散機器(ロードバランサー)を採用されていますか。

そのような背景から、全体では前年比105%程度の伸びを示していると言われるSLB市場。実際のところ、現状はどうなのか、どれだけニーズが高まっているのか。ネットワールドが2011年末、企業のネットワーク担当者300名に対して行ったSLB使用状況の独自調査の結果から見ていこう。

まずは導入状況だが、約50%の企業で既に導入済みであり、さらに約25%の企業が今後導入予定だ。また、導入済み企業のうち約40%は入れ替えを検討中とのことで、SLBへの注目度はこれからますます増していくと言える(Q1)。

Q2 あなたが関与されているウェブサイトやインターネットシステムとして、あてはまるものをお選びください。

SLBによる負荷分散の対象システムで、最も多いのはやはり一般的なWebサイト。一方、社内向けのWebサイトや基幹系/情報系システムの割合も多い。採用理由はトラフィック増加およびサーバ増加への対応が多い。最近はスマートフォンやソーシャルゲームなどの普及に伴うインターネット通信急増への対策が叫ばれているが、その傾向が如実に表れた調査結果だ(Q2)。

Q3 採用された機器の価格帯をお答えください。

採用価格帯は200万円以下のモデルが60%以上を占める。コンシューマ向けインターネットサービスを展開する企業には中堅・中小も多く、また、大企業といえどもITコスト削減が厳しく求められるなか、コストパフォーマンスに優れた低価格モデルがこれからも主流となるだろう(Q3)。

単に低価格だけじゃなく他にもいろいろ求められる

Q4 採用された機器の価格帯をお答えください。

さて、実際にSLBを新規導入または入れ替えるとなった場合、SLBならどの製品でもよいというわけではない。SLBに今後求める機能の調査結果によれば、約31%を占めるセキュリティ対策と並び、「IPv6への対応」「バーチャルアプライアンス化」への要望も多い点に注目したい(Q4)。

Q5 負荷分散装置を使う理由は何ですか。次の中からあてはまるものをすべて選んでください。(いくつでも)

また、Q5の調査結果で約1/4のユーザーが使う理由に挙げているように、東日本大震災以降、ディザスタ・リカバリ(DR)対策への要望も急激に増えている。よって、それらの条件を満たし、なおかつ、コストパフォーマンスの高いSLB製品が求められていると結論づけられる。

それでは、先ほど登場した「IPv6への対応」「バーチャルアプライアンス化」について、そもそも何が問題で、SLBに何が求められているのかなど、より具体的に見ていこう。