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導入事例  : 日本ビジネスコンピューター

2011.04.13

「VMware vCloud Director」によるシステム開発環境・検証環境の全面クラウド化を実施
クラウドへのアクセスには「VMware View」を利用し、開発業務の効率化とコスト削減を実現、将来のワークスタイル変革に備える

詳細な資料はこちらからPDF(1.38MB)

ITソリューションカンパニーの日本ビジネスコンピューター株式会社様(以下、JBCC)では、 パッケージ製品や受託開発ソフトウェアの開発環境を全面クラウド化する取り組みを実施しました。既存の開発資産をクラウド環境に集約することで、サポート品質の向上や開発コスト削減を実現するのが狙いです。さらに、このプロジェクトでは、サーバだけでなくクライアント環境のクラウド化も実施。開発者が利用する約200台のPCを、ネットワールドが提供する仮想デスクトップソリューション「VMware View」へ統合しました。これにより、クライアント環境の最適化を実現 すると同時に、端末コストの削減や開発業務のリードタイム短縮など、数多くのメリットを実現。今後は自社開発のシンクライアント端末と組み合わせたソリューションも展開していく構えです。

浜口 昌也 氏

JBアドバンスト・テクノロジー株式会社
先進技術研究所
製品研究部
主任研究員
浜口 昌也 氏

高浜 祐二 氏

JBアドバンスト・テクノロジー株式会社
先進技術研究所
クラウド・インテグレーションセンター
シニアITスペシャリスト
高浜 祐二 氏

 

日本ビジネスコンピューター株式会社

所在地 : 東京都大田区蒲田5-37-1
設 置 : 1964年4月
U R L : http://www.jbcc.co.jp/
事業内容 : 「お客様に真にご満足いただける"ベスト・サービス・カンパニー"」を経営ビジョンとして掲げるJBグループ(※)の中核企業。ソフトウェア開発からコンサルティング、SI、アウトソーシングまで、多彩なソリューション群をフルスコープで提供している。
(※)JBグループ:JBCCホールディングスの事業会社の総称
自社導入の経験を活かし最適なソリューションを提供

JBCCは、JBCCホールディングスを持株会社とするJBグループの中核を担うITソリューション企業である。導入前のコンサルティングから、設計・構築、本稼働後のマネジメントサービスに至るまで、多彩なソリューションをフルスコープで提供。創業以来約50年の長きにわたり、顧客企業の経営戦略をサポートし続けている。 
同社のビジネスの最大の特長は、顧客に提供する製品やソリューションを、まず自社導入して徹底的に検証している点だ。様々な効果や課題を実際に体験しているからこそ、適切なアドバイスやソリューション提供が行えるのだ。 
それだけに、同社の社内では常に最先端のシステム環境が稼働している。昨今話題のクラウドについても、既に数年前から取り組みに着手。2007年には、社内で稼働する約130台の情報系サーバを、ネットワールドが提供するサーバ仮想化ソフトウェア「VMware」で仮想統合した。サーバ台数はその後も増え続けており、現在では約200台の仮想サーバがVMware上で稼働中である。

ソフトウェア開発環境をVMwareでクラウド化

情報系サーバのクラウド化が一段落した2009年、同社ではパッケージ開発や受託開発業務で使用する、開発環境の見直しに着手した。JBグループ内のIT企画を推進するJBアドバンスト・テクノロジー(以下、JBAT)先進技術研究所 製品研究部 主任研究員 浜口 昌也氏は、その理由を次のように語る。
「もともと開発環境については、お客様へのサービスが最優先ということで、大きく変えるようなことはしてきませんでした。しかし、実際には、そこにもコスト的な無駄や非効率な部分が潜んでいるはずです。グループ企業の再編やM&Aが進む中、いつまでもこうした状況を放置しておくと、ますます開発業務のコスト構造が見えなくなります。そこで今回、あえて改善に乗り出したのです」(浜口氏)。 
従来の開発環境には、それ以外にも様々な課題があった。たとえば、同社では受託開発を数多く手がけているが、顧客企業をサポートするために導入後も開発環境をすべて残している。その中には、旧式のサーバやOSでしか動かないようなシステムも存在するが、こうしたものはハードウェアごと残さざるを得なかったのだ。 
こうした問題を解消する手段として、同社が選んだのが開発環境のクラウド化である。浜口氏は「開発環境を仮想化すれば、各開発プロジェクトのリソース利用状況なども明確にできます。また、古いアプリケーション資産も安全に残せる上、サポートで必要になった際にも迅速に環境を再現できます」と語る。
開発クラウドのためのインフラには、情報系サーバのクラウド化でも大きな効果を挙げたVMwareを採用。また、多様な開発環境を適切に管理するために、「VMware vCloudDirector」も導入して、管理の効率化と開発作業のスピードアップを図っている。
さらに、このプロジェクトでは、サーバ環境だけでなく、開発業務に利用するクライアント環境についてもクラウド化が行われた。そのインフラとして採用されたのが、ネットワールドが提供する仮想デスクトップソリューション「VMware View」である。

約200台のクライアントを「VMware View」に集約

クライアント環境のクラウド化に踏み切った背景を、JBAT 先進技術研究所 クラウド・インテグレーションセンター シニアITスペシャリスト 高浜 祐二氏は「実際の開発業務では、サーバだけでなくクライアントPCもプロジェクトごとに必要になります。しかも、作業や用途によって異なるPCを使い分けたりするため、台数やコストが増えていく一方でした」と説明する。開発エンジニアによっては、一人で4〜5台のPCを抱えているケースもあったとのこと。こうした状況を改善するには、その都度物理的なPCを調達するのではなく、開発クラウド上に用意されたデスクトップ環境を使用するのがベストと判断したのである。 
今回のプロジェクトでVMware Viewを選んだのは、ユーザごとに異なる環境を柔軟に提供できるという点からだ。「開発業務で使用する環境はエンジニアによって異なりますので、単一のデスクトップ環境を全員に配信するような製品ではユーザニーズに応えられません。その点、VMware Viewなら、高いパーソナライズ性を確保できます」と浜口氏は語る。
また、もう一つは、VMware vSphere 4との親和性の高さである。高浜氏は「当社では長年VMwareを活用していますので、同じ基盤上で動くVMware Viewなら、これまでの経験やノウハウがそのまま活かせます。これも大きなポイントになりました」と語る。VMware Viewによる仮想デスクトップ環境は、2010年7月より本稼働を開始。現在では約200台分のクライアント環境が、VMware View上で稼働している。

JBCC 構成図

開発リードタイムを6週間から1時間に短縮

VMware Viewを導入したことで、開発業務に必要なクライアント環境を必要に応じて迅速に用意することが可能になった。浜口氏は「端末コストが削減できたことに加え、開発業務に着手するまでのリードタイムを6週間から1時間に削減できました。お客様へのサービスレベルを向上させていく上でも、強力な武器となっています」と力強く語る。不要になった環境は即座に消去できるため、省スペース化にも役立っているとのことだ。
また、機能面でも、高い評価が寄せられている。「VMware Viewではプロトコルとして『PCoIP』がサポートされているため、アクティブなページもスムーズに再生できます。最近ではリッチコンテンツの開発も増えていますので、こうした仕組みが最初から用意されているのは大変ありがたい」と高浜氏。作業を途中で中断した際も、すぐに同じ状態から再開できるため、ストレスを感じることなく快適に作業が行えると続ける。
VMware Viewには、端末側に接続されたプリンタで出力が行える「Virtual Printing」や、USBマウスなどのデバイスをそのまま利用できる「USBリダイレクト」などの機能も備わっており、これまでと同等の使い勝手も確保できる。「今回の開発クラウドでは使用していませんが、アプリケーションを.exeファイルにカプセル化して配信できる『Thin App』機能も面白いですね。いろいろな活用法が考えられると思います」(高浜氏)。 
開発用クライアント環境の最適化を実現した同社だが、今後も事務部門への展開や、産休・育児などで在宅勤務になっても仕事を続けられる環境の整備など、幅広い分野への適用を検討中だ。もちろん、今回の経験を活かした顧客向けソリューションも展開していく。浜口氏は「JBAT製シンクライアント端末『セキュアターミナルT333/T3133』もVMware Viewの動作認証を取得しましたので、両者を組み合わせたソリューションをご提供する予定です」と語る。 
常に先端的なチャレンジに取り組む企業だけに、ネットワールドの支援に対する期待も高い。浜口氏は「ネットワールドは、常に情熱を持って支えてくれるので、我々としても全幅の信頼を置いています。今後も従来と同様、しっかりとバックアップして欲しいですね」と語った。

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