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導入事例  : アイネット

2010.10.13

クラウドサービス「VAiOS Easy Cloud Services」の
インフラに「VMware vSphere4」を採用
セキュアなマルチテナント環境を実現

詳細な資料はこちらからPDF(1.4MB)

環境変化への即応やコスト削減の切り札として、高い関心を集めるクラウドサービス。アウトソーシング/データセンター事業を幅広く展開する株式会社アイネット(以下、アイネット)様でも、仮想化技術をオール・イン・ワンで提供する新サービス「VAiOS(ヴァイオス)」を提供しています。このサービスでは、プライベートクラウドの構築・運用に必要なソリューションをトータルに提供するほか、手軽なコストで導入できるIaaS型のクラウドサービス「VAiOS Easy Cloud Services(以下、Easy Cloud)」も用意。ネットワールドが提供するサーバ仮想化ソフトウェア「VMware vSphere 4」やFirewallなどの製品群を活用することで、セキュアなマルチテナント環境の実現に成功しています。

株式会社アイネット
クラウドサービス事業部 システム部
シニアコンサルタント&ITアーキテクト
遠藤 豊 氏

株式会社アイネット
クラウドサービス事業部
システム部
シニアコンサルタント
&ITアーキテクト
遠藤 豊 氏

株式会社アイネット
ITマネージドサービス事業部
総合技術部 係長
牧之田 浩一 氏

株式会社アイネット
ITマネージドサービス
事業部
総合技術部 係長
牧之田 浩一 氏

株式会社アイネット
ITマネージドサービス事業部
総合技術部 係長
雪島 隆史 氏

株式会社アイネット
ITマネージドサービス
事業部
総合技術部 係長
雪島 隆史 氏

 

株式会社アイネット

本 社 : 横浜市西区みなとみらい3-3-1
設 立 : 1971年4月
U R L : http://www.inet.co.jp/
事業内容 : 石油販売店向けの情報処理サービス事業を皮切りに、金融、製造、建設、公共、小売、マスメディアなど、幅広い分野へビジネスを展開する独立系ITサービスプロバイダー。最先端の設備を誇るデータセンターを武器に、高品質なサービスを提供している。
データセンターを核に多彩なソリューションを展開

横浜・みなとみらいに本社を置くアイネットは、情報処理サービス、システム開発サービスをはじめ、BPOを含めたアウトソーシング事業をトータルに手がける独立系のITサービスプロバイダーである。クラウドサービス事業部システム部シニアコンサルタント&ITアーキテクト遠藤豊氏は、「1971年設立当初は石油業界向けの事業が中心でしたが、現在では金融業や製造業・建設業・小売業など、幅広い分野にソリューションをご提供しています」と説明する。
ホスティングやハウジング、開発、運用保守といったIT関連サービスに加えて、業務アウトソーシングにまで対応できる総合力が同社の大きな強みだ。技術力の高さも群を抜いており、大きな話題を呼んだ国産無人宇宙探査機「はやぶさ」の設計・運用にも参画していた。
こうした同社の活動を支えているのが、充実した設備を誇るデータセンターだ。2009年6月には、国内最高クラスの安全性と最先端のテクノロジーを備えた第2データセンターが本稼働を開始。遠藤氏は「安全性・信頼性の追求はもちろん、機器冷却に自然の風を利用するなど、エコにも配慮した設計になっています」と話す。

手軽に利用できるクラウドサービス「Easy Cloud」の提供を開始

同社が第2データセンターを建設した狙いの一つが、クラウド時代に向けた新しいサービスの提供であった。最近でこそクラウドやSaaSといったキーワードが当たり前のように語られているが、受託計算サービスやアウトソーシング事業を約40年にわたって展開してきた同社にとって、こうした形のサービスはまさにお家芸。長年培った経験と技術力を活かし、より先進的なサービスの実現を目指したのである。 
「新たなクラウドサービスを提供するにあたり、我々が目を付けたのが仮想化技術です。仮想化に関心をお持ちの企業は増えていますが、自前で技術を習得するのは負担が大きい。その点、当社では技術者もデータセンター設備も抱えていますから、仮想化の導入から構築後の保守・運用に至るまで、一貫してサポートできると考えました」(遠藤氏)。
「仮想化オール・イン・ワン サービス」を意味する「VAiOS(Virtualization All in One Services)」と名付けられた新サービスは、2009年10月より提供を開始。ITマネージドサービス事業部 総合技術部 係長 牧之田浩一氏は「仮想化に向けたキャパシティ・プランニングから、実際の設計・構築作業、物理環境から仮想環境への移行に至るまで、プライベートクラウドを構築する際に必要なプロセスをすべて網羅しています」と胸を張る。 
さらに、もう一つの特長となっているのが、業界初となるVOCR(仮想化運用代行センター)サービスだ。仮想環境の運用管理者、ならびに運用仕様を複数の企業が共同利用することで、仮想化システムの運用自動化と運用管理コストの削減を実現。ITマネージドサービス事業部 総合技術部 係長 雪島 隆史氏は「VOCRサービスをご利用いただくことで、とかく負荷が掛かりがちな仮想環境の運用管理を飛躍的に効率化できます。お客様が仮想サーバを立ち上げたい場合なども、専用のポータルサイトから自動で仮想環境の構築が可能です」と説明する。
もっとも、いきなり自社システムを全てプライベートクラウド化するのは、二の足を踏むという企業もあることだろう。そこでVAiOSには、アイネットが保有するリソースを貸し出すIaaS型の仮想化サービス「Easy Cloud」も用意されている。「インフラの構築、運用はすべて当社が行いますので、お客様は必要な分のリソースをご契約いただくだけ。ご契約リソースの範囲内で、仮想サーバの増設なども自由に行えます」と雪島氏は話す。
Easy Cloudの仮想化基盤には、市場での実績が豊富な「VMware vSphere 4」を採用。また、プロジェクトのパートナーにはネットワールドを選んだ。遠藤氏はその理由を「お客様のビジネスを支える重要なサービスですから、我々としても信頼できるパートナーと組みたかった。その点、ネットワールドは全ての分野の技術者が仮想化に精通していますので、安心してお客様へのサービス提供に専念できます」と続ける。

マルチテナント環境でのセキュアな通信を実現

Easy Cloudの開発にあたっては、セキュリティの確保が大きな課題となった。それぞれの企業が専用の環境を利用するプライベートクラウドと異なり、EasyCloudでは同じリソースを複数の企業で共有するマルチテナント型の環境となる。ビジネスの安心・安全を確保するためには、各テナントのセキュリティを完全に分離することが必要となる。
今回のプロジェクトでは、ネットワールドが提供する仮想化機能を持ったFirewallを完全冗長構成で採用。「この製品には、1台のFirewallを複数の仮想Firewallとして動作させる仮想ドメイン機能が備わっています。これをVMwareの仮想スイッチ機能と組み合わせ、それぞれのお客様ごとにVLANを切り分けることで、高いネットワークセキュリティを確保しました」と牧之田氏は説明する。これにより、ユーザ企業の端末からルータ、Firewall、F5 BIG-IP、L2スイッチ、仮想サーバに至るまで、エンド・ツー・エンドでのセキュアな通信が実現。しかも仮想化対応のネットワーク機器群を用いることで、機器点数を増やすことなく多くのテナントを収容することにも成功している。また、ビジネスクラウドに欠かせない信頼性・可用性の確保については、VMware HAを全面的に活用。万一物理サーバに故障などが発生した場合も、問題なく業務を継続することができる。
「業務データのバックアップについても、標準の定期バックアップに加えて、高機能バックアップ&高速リストアなどのオプションをご用意しています。データも当社データセンター内のストレージに格納していますから、内部統制/コンプライアンス対応の面でも安心です」と雪島氏は話す。ちなみに、このストレージについても、ネットワールドが提供するEMC社製品を採用。雪島氏は「お客様ごとにLUNを切ってデータの独立性を確保していますが、こうした作業を行う際の操作性も良いですね」と続ける。

ネットワールドとのタッグで顧客企業向けリソース提供型クラウドを支援

高品質なクラウド基盤を手頃なコストで利用できるEasy Cloudは、多くのユーザ企業の支持を獲得し、順調に契約数を伸ばし続けている。アイネットでは、この成果をさらに拡げるべく、今後もサービス内容の充実を図っていく構えだ。
それだけに、パートナーであるネットワールドに対する期待も大きい。「ネットワールドでは様々なベンダの製品を取り扱っていますので、今後も我々に役立つ提案を積極的に行って欲しい」と遠藤氏。牧之田氏も「今回もVMwareの部分だけでなく、Easy Cloudのネットワークやストレージ構築をはじめ、多くの場面でネットワールドの支援に助けられました。ぜひ今後も顔の見えるサービス・サポートを期待したいですね」とにこやかに語る。
「お客様に喜んでいただけるサービスをご提供していくことが、当社に課せられた最大の使命。我々としても、全力でお客様のクラウド活用に貢献していきたい」と意気込みを語る遠藤氏。VAiOSの今後の発展が非常に楽しみである。

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