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導入事例  : 垂水市役所

2010年1月25日

行政システムの最適化を目指し「VMware vSphere4」を導入
サーバ台数を1/5に削減し、信頼性向上とコスト削減も実現

詳細な資料はこちらからPDF(664KB)

電子自治体への取り組みが急がれる中、各地の市町村においても情報インフラの最適化が重要な課題になっています。鹿児島県・垂水市様(以下、垂水市)で も、市役所の業務を支えるサーバ群の再構築を実施しました。プロジェクトのテーマとして掲げられたのは、行政システムに欠かせない安定性の確保とコスト削 減の両立。そのために同市が選んだのが、ネットワールドが提供するサーバ仮想化ソフトウェア「VMware vSphere 4」です。従来はシステム毎に導入していたサーバ群を仮想環境へ統合し、 物理サーバ数の大幅削減と信頼性・可用性向上、バックアップの効率化までを実現。統合による電気・空調のコストだけでなく、サーバの新規購入コストも抑制 され、 将来のコスト削減につながっています。

垂水市役所 園田氏

垂水市役所
企画課 情報管理係
主査
園田 保 氏

 

 

垂水市

人 口 : 17,796名(2008年度)
世 帯 数 : 7,550世帯(2008年度)
面 積 : 161,95km2
U R L : http://www.city.tarumizu.lg.jp/
概 要 : 垂水市は鹿児島県大隅半島の玄関口に位置し、恵み豊かな錦江湾と優美な桜島を目の前に望む緑豊かなところです。農業と漁業が中心で、温暖な気候を生かした果樹・施設園芸や、ぶり・かんぱちの養殖が盛んで県内有数の生産地となっています。
株式会社南日本情報処理センター 古垣氏株式会社
南日本情報処理センター
公共システム本部
アウトソーシング推進部
課長
古垣 啓一郎 氏
株式会社南日本情報処理センター 山下氏

株式会社
南日本情報処理センター
公共システム本部
アウトソーシング推進部
NIグループ 主任
山下 健一 氏

 

<パートナー概要>
株式会社南日本情報処理センター

本 社 : 鹿児島市東開町 4-104
設 立 : 1969年10月15日
U R L : http://www.kk-mic.jp/
県下屈指のIT先進自治体として地域情報化に積極的に取り組む

鹿児島の象徴として全国に知られる桜島。その雄大な姿を目前に臨む海岸線に、垂水市の市街が広がっている。平安時代から栄えた歴史を誇る同市だが、現在も 鹿児島市と大隅半島を結ぶ交通の要衝として重要な役割を果たし続けている。また、ぶり、かんぱちの養殖など、錦江湾の豊かな自然環境を活かした漁業も盛んに行われており、前者は「ぶり大将」、後者は「海の桜勘」のブランドで全国に出荷されている。農業も重要な産業の一つであり、ビニールハウス等を利用した インゲン、キヌサヤ、メロンなどの施設野菜が盛んである。
また同市は、県下でも屈指のIT先進自治体という側面も備えている。1999年には、市 の中心部に垂水市情報センター「キララメッセ垂水」を開設。PCの使い方を学びたい市民に施設を開放するなど、地域情報化に積極的に取り組んできた。垂水市 企画課 情報管理係の園田 保主査は「庁内業務のIT化も早くから進めており、メールやWebの活用はもちろん、Exchange Serverのパブリックフォルダを利用した情報共有なども推進しています」と説明する。

増えすぎたサーバを削減すべくシステムの仮想統合を決断

このように、地域行政にITを活用してきた同市が、2009年に新たな取り組みに着手した。それは市役所内で稼働する業務サーバの仮想統合である。園田氏 はその背景を「2004年に地域イントラネット基盤施設整備事業を行ったのですが、この頃から業務サーバの数が急速に増えてきました。このままでは、ハー ドウェアへの投資が嵩む一方ですし、サーバや空調機器が消費する電気代も無視できません。なんとか台数を減らしたいと考えました」と振り返る。 
当時は、業務システム毎に物理サーバを導入していた上、場所を取るタワー型筐体の製品なども存在していた。サーバルームのスペースにも余裕がなくなってきたため、インフラの省スペース化・省電力化は緊急の課題であった。 
また、もう一つの課題として掲げられたのが、安定的なシステム環境の実現だ。園田氏は「それまでも大きな障害はほとんどなかったのですが、だからといって 安心することはできません。市役所業務に影響を及ぼすようなトラブルが起きてからでは遅いので、早めに信頼性・可用性向上を図るべきだと判断しました」と 続ける。
同市のITパートナーである南日本情報処理センターでは、これらの課題を解消するためのソリューションを検討。その結果、ネットワールドが提供するサーバ 仮想化ソフトウェア「VMware vSphere4(以下、VMware)」を提案した。同社の古垣 啓一郎氏は「VMwareは市場での導入実績が豊富な上に、『V Mware V Motion』や『V MwareDRS』、『VMware HA』などの高信頼機能も備えています。他の仮想化製品もチェックしましたが、市政を支える重要なシステムである以上、実績と信頼性を兼ね備えた VMwareをご提案するのがベストと考えました」と説明する。 
ネットワールドとタッグを組んだのも同様の理由からだ。同社の山下 健一氏は「安定的なシステム環境を構築する上では、技術的な支援や情報面でのサポートも欠かせません。その点、ネットワールドのバックアップ体制は非常に 強力ですので、安心してお客様にソリューションをご提供できます」と語る。 
自治体や企業の中には、初めての仮想化導入に不安を抱くところもある。しかし、同市では、以前から先進技術の導入に前向きに取り組んでおり、仮想化技術の 将来性も高く評価していた。園田氏は「今後主流となる技術であることは分かっていましたので、今回を機に当市でも導入を決断しました」と語る。

10台のサーバを2台に集約既存資産も有効に活用

VMwareによる新たな仮想化基盤は、2009年9月より本番稼働を開始した。今回のプロジェクトでは、メーカーの保守期限切れが近づいた古いサーバ群 を中心に仮想化を実施。ProxyサーバやDNSサーバなどのネットワーク系サーバのほか、Microsoft Exchangeサーバ、ActiveDirectoryサーバ、セキュリティ用サーバなど、合計10台のシステムが2台の物理サーバ上で稼働している。 その結果、台数は以前の1/5に削減でき、ラックの占有スペースも以前の6割程度に減った。 
システム構築にあたっては、P2Vツールなどを利用した移行は行わず、Windows Server 2008を利用してVMware上に新規構築する方法を採用。これは、「システムを長く使い続けるためには、最新バージョンのOSで新しく作り直した方が 有利」(山下氏)との考えからだ。もっとも、すべてのシステムのOSが刷新されたわけではなく、文書管理システムのようにWindows 2000Serverベースのシステムも残っている。 
「このシステムについては、現場部門からリプレースの相談があったのですが、アプリケーションがWindows 2000 Serverだけに対応していた。今から新しいサーバOSで動かすのも難しいので、今回の仮想化基盤に構築することにしました」と園田氏は説明する。これ により、既存のシステム資産も有効活用することが可能になる。古垣氏も「もし、Windows Server 2008向けに改修するとなると、ソースの改変やSQL Serverの入れ替えなどで莫大な費用が掛かります。しかし、VMwareを利用することで、コストを掛けることなくインフラを刷新できました」と続け る。 
また、同市では外部からのネットワーク回線が情報センターに来ている関係で、市庁舎にDMZを設けて接続を行っているが、このDMZも今回の仮想化基盤内 に取り込んだ。「これにより、セキュリティを維持しつつコスト削減を図れました。物理で構築する場合のように、わざわざDMZ環境を分けなくても良いのは 大きなメリットですね」と古垣氏は語る。

垂水市役所構成図
バックアップの効率化も実現新たな分野での活用も視野に

今回のプロジェクトでもう一つ注目されるのが、バックアップ/リカバリの効率化を実現した点だ。従来は各サーバに個別にバックアップを取得していた上、シ ステムを復旧する際もOSの再インストールから行う必要があった。しかし、現在では、集中バックアップが可能な上、仮想サーバのイメージを戻すだけですぐ にシステムを復旧できる。市民生活を支える行政システムにとって、こうした環境が実現できた意義は大きい。「vSphere 4からは、純正のバックアップ機能である『VMware Data Recovery』が提供され、他社製品を購入しなくても作業が行えるようになりました。これがVMware採用の決め手にもなりました」(古垣氏) 
垂水市でも、今回の仮想化の効果を高く評価。園田氏は「新規システムを立ち上げる際やテスト環境が必要な場合も、今までのように物理サーバを購入する必要 はありません。懸案であった省スペース化・省電力化も実現できました」と満足げに語る。さらに今後も、様々な場面でV Mwareの活用を図っていきたいとのこと。園田氏は今後の抱負を「クライアント仮想化や基幹システム再構築プロジェクトへの適用など、いろいろな可能性 を検討していきたい。より安全・安心で高信頼な行政システムを実現すべく、今後も努力していきたいと思います」と語った。

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