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導入事例  : キングジム

2009年12月16日

「VMware」+「NetApp」で仮想化基盤を構築 物理環境を集約しプライベート・クラウドを目指す

詳細な資料はこちらからPDF(587KB)

各種のファイリング用品をはじめ、ラベルライター「テプラ」やデジタルメモ「ポメラ」などのヒット商品でも知られる株式会社キングジム様(以下、キングジム)では、社内システムの仮想化プロジェクトを推進中です。大量の業務サーバ群やストレージを集約し、より最適なITインフラを実現するのが狙いです。この新たな仮想化基盤を支える製品として、同社ではネットワールドが提供する仮想化ソフトウェア「VMware Infrastructure 3」とネットワークストレージ「NetApp FAS2050A」を採用。運用管理の効率化や環境負荷軽減を実現すると同時に、今後のビジネスを支えるプライベート・クラウドの基盤としても活用していく予定です。

株式会社キングジム 大川氏

株式会社キングジム
情報システム部
システム管理課長
大川 悦二 氏

株式会社キングジム 小島氏

株式会社キングジム
情報システム部
システム管理課
小島 祐介 氏

 

株式会社キングジム

本 社 : 東京都千代田区東神田2-10-18
創 業 : 1927年4月
U R L : http://www.kingjim.co.jp/
事業内容 : 「キングファイル」をはじめとするファイリング用品や、ラベルライター「テプラ」デジタルメモ「ポメラ」などの製造・販売を手がける。地球環境保全にも積極的に取り組んでおり、再生素材の活用や使用済みカートリッジ回収など様々な活動を行っている。
三信電気株式会社 福井氏

三信電気株式会社
ソリューション営業本部
ネットワークシステム
営業一部一課長
福井 洋 氏

三信電気株式会社 吉原氏

三信電気株式会社
ソリューション営業本部
ネットワークシステム
営業一部一課 主任
吉原 宣之 氏

 
三信電気株式会社 石村氏

三信電気株式会社
ソリューション営業本部
首都圏システム
サポート部二課
チーフエンジニア
石村 健太郎 氏

 

 

<パートナー概要>
三信電気株式会社

本 社 : 東京都港区芝4-4-12
設 立 : 1951年11月1日
U R L : http://www.sanshin.co.jp/
「ポメラ」などの新商品を武器に 新たなマーケットを開拓

オフィスに欠かせないファイリング用品のリーディング・カンパニーとして、80年余りに及ぶ歴史を誇るキングジム。国内トップシェアを誇るパイプ式ファイル「キングファイル」を筆頭に、多彩な商品群を提供し続けている。また、1988年に販売を開始したラベルライター「テプラ」は同社の重要な主力商品に成 長。幅広いラインナップを取り揃え、多様なニーズに対応している。 
さらに、今後のビジネスの牽引役として期待を集めるのが、2008年に登場したデジタルメモ「ポメラ」だ。この製品では、機能を極限まで削ぎ落とすと同時 に、わずか2秒での起動、快適なタイピングを実現するキーボード、乾電池による長時間駆動など、使い勝手に徹底してこだわった。そのコンセプトは多くのビ ジネスユーザーの共感を呼び、販売開始から1年で約9万台という大ヒット商品となった。 
同社ではこのほかにも、カラフルな色使いが特長の文具・雑貨「Toffy」シリーズや勤怠管理システム「クロックオン」など、様々な製品/ソリューションを展開。新たな顧客層を開拓することで、さらなる飛躍を果たそうとしている。

VMware+NetAppによる仮想化基盤の構築に着手

環境変化への即応が要求される現代のビジネスにおいては、IT部門の果たす役割も大きい。キングジム 情報システム部 システム管理課長の大川 悦二氏は「現場部門の要求を形にしていくことが、我々に課せられた最大のミッション。ユーザーにとって使いやすく、かつ効率的なシステム環境を目指しています」と話す。もっとも、業務のIT化が進んだことで、新たな課題もまた生まれてきた。特に問題になったのが、サーバ台数の急速な増加だ。同社では1システム・1サーバ方式を採用してきたため、サーバ台数が約70台にも達してしまったのだ。 
これだけのサーバが稼働するとなると、運用管理にもかなりの工数が掛かる。中でもバックアップ業務の負担は相当なものだったという。「従来は各サーバに DAT装置などを装着し、個別にバックアップを取得していていました。このため、テープ交換などの作業に、大変な手間と時間が掛かっていました」と大川氏 は話す。しかも、問題はこれだけではなかった。キングジム 情報システム部 システム管理課の小島 祐介氏は「導入から数年を経過したサーバは、最新の製品と比較して性能面で見劣りします。また、内蔵ディスクの容量が小さく、Cドライブの容量がどんどん 圧迫されてくる点も不安要因でした」と説明する。 
同社では、こうした課題を解消する方法として、サーバ/ストレージの仮想統合を決断。そのための製品として、ネットワールドが提供するサーバ仮想化ソフトウェア「VMware Infrastructure 3(以下、VMware)」とネットワークストレージ「NetApp FAS2050A」を導入した。同社のITパートナーである三信電気の吉原 宣之氏は「キングジム様では今回が初の仮想化導入だっただけに、本当に大丈夫か心配されている点も多かった。そこで、ネットワールドの協力でデモをご覧頂いたり、事例をご紹介したりして不安感の払拭に努めました」と話す。特に性能に対する懸念が大きかったため、事前に綿密なサイジング作業を実施。また、信 頼性・可用性についても、「VMware HA」を採用することで不安を解消した。

14システムを3台のサーバに集約 将来的には約40システムを仮想化

VMwareとNetApp FAS2050Aによる仮想化基盤は、2009年9月末より本稼働を開始した。小島氏は「ファーストステップでは、社内で稼働する約70台のサーバのう ち、保守期限切れが迫っているものから仮想環境への移行に着手。EDIシステムや固定資産管理システムなど、9システムをVMware上へ移しました」と 説明する。
これと同時に、電子決裁システムやワークフローシステムなど、5つのシステムを仮想環境上で新規構築。取材時点ではこれら14システムが3台の VMware ESXサーバ上で稼働していた。「最終的には、約40システムをVMware上へ集約する予定です」と小島氏は続ける。物理環境から仮想環境への移行も非 常にスムーズに進んだとのこと。三信電気の石村 健太郎氏は「今回移行対象となった9システムのうち、8システムについては2日間で移行が完了。残りの1システムについても、2週間後には無事仮想環境へ移せました」と語る。 
事前に懸念していた性能への不安も杞憂に終わった。大川氏は「固定資産管理システムの一部業務では、処理時間が以前の半分に短縮できたケースもあります。レスポンスが速くなったとユーザーからも好評ですね」と語る。また、VMwareを導入したことで、Windows 2000ベースで構築された業務システムを延命させることも可能になった。小島氏は「新規のサーバを立てたいと思った場合も、今までのようにわざわざ物理 サーバを手配する必要がない。業務部門の要求にも、スピーディに応えられるようになりました」と満足げに語る。 
環境保全に力を入れている同社にとっては、物理サーバの台数が減ったことも大きなメリットだ。「サーバの消費電力を低減できる上、サーバルームの空調設定なども見直せます。CO2排出量削減の取り組みにも大きく貢献してくれていますね」(大川氏)。

株式会社キングジム構成図
ユニファイドストレージ環境が運用効率化やIT投資の最適化に貢献

今回のプロジェクトでは、NetApp FAS2050Aによる効果も見逃せない。まず1点目は、バックアップ業務の効率化だ。VMwareとの連携を実現するツール「SnapManager for VirtualInfrastructure(SMVI)※1」を導入し、稼働中の仮想サーバのバックアップを瞬時に取得できる環境を構築。小島氏は「今 まで夜間に数時間掛けて取得していたバックアップが、あっという間に終わってしまう。これには本当に驚かされましたね」と語る。SMVIは仮想環境のバッ クアップが容易に行えるだけでなく、仮想マシン単位/ボリューム単位でのリストアなど柔軟な運用も可能。テープ交換作業も不要になり、大幅な運用効率化が 実現できた。 
また、当初は仮想化を考えていたファイルサーバについても、NetAppの機能を利用して同じストレージ内にCIFSでマウントする方式を採用。「今後 ファイルサーバ領域を増強したいと思った場合も、NetAppならFlexVol※2機能で簡単に容量を変更できます。こうした柔軟な運用が実現できるの もNetAppならではですね」(小島氏)。
さらに、もう一つ高く評価されているのが、NetAppのDeduplication(重複排除)※3機能だ。「仮想化を進めていくと絶対にストレージが 不足すると考えていたのですが、重複排除が効いているおかげで、容量を50%以下に抑えられています。リソースを有効活用できるのは非常にありがたい」と 満足げに語る小島氏。三信電気の福井 洋氏も「経済環境が厳しい時代ですから、我々としてもお客様のIT投資の効果を最大化する提案を行っていきたい。VMwareやNetAppは、そのための有効な武器になると考えています」と話す。 
次世代に向けた仮想化基盤を確立したキングジムだが、今後もDRシステムの構築など様々な取り組みを展開していく。将来的にはIT環境のプライベート・ク ラウド化も視野に入れているとのことだ。大川氏は「仮想化に取り組んで良かったというのが現在の率直な感想です。今後もこの基盤を活用し、最適な業務環境 をユーザーに提供していきたい」と力強く語った。

※1 SnapManager for Virtual Infrastructure(SMVI) VMware ESXサーバのスナップショットとNetAppストレージの スナップショットを自動連携します。 VMware ESXサーバとNetAppストレージの間の連携スクリプトの 作りこみが不要となり、SMVIの操作のみで簡単にバックアップ、 リストアを行うことができます。
※2 FlexVol 物理的なストレージを意識することなく、柔軟に管理や移動を行う ことができる仮想ボリュームを作成します。業務時間中でもオンラインでの、ボリュームの拡張・縮小を自由に出来ます。

※3 Deduplication(重複排除) 重複しているブロックを見つけ出し、重複部分を排除して、オリジ ナルのオブジェクトのみを参照することで、ストレージ容量の 効率化を可能にします。特にVMwareなどの、同一のOS環境が 複数存在する場合などには効果的です。

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