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導入事例  : 湘北短期大学

2009年10月29日

キャンパスの情報インフラを全面刷新
「VMware」と「NetVault Backup」を導入し
サーバ群の仮想統合と万全のデータ保護を実現

詳細な資料はこちらからPDF(834KB)

近年ではビジネスの現場だけでなく、教育・学術分野においてもIT活用が重要なテーマになっています。学校法人ソニー学園湘北短期大学様(以下、湘北短期大学)でも、キャンパス運営を支える情報インフラの再構築を実施しました。このプロジェクトにおいて大きな課題となったのが、学内で稼働する大量のサーバ群の集約でした。同大学では授業や研究に用いられるサーバが急速に増加しており、設置スペースやコストの増大を招いていました。そこでネットワールドが提供するサーバ仮想化ソフトウェア「VMware Infrastructure 3」を活用し、サーバ群の仮想統合を実施。また、バックアップソフト「NetVault Backup」も新たに導入し、障害時の迅速な業務復旧も実現しています。

湘北短期大学 内海氏

湘北短期大学
ICT教育センター
センター長
情報メディア学科 准教授
内海 太祐 氏

湘北短期大学 岡原氏

湘北短期大学
総務部
ICT教育センター担当
主任
岡原 武 氏

 
湘北短期大学 福井氏

湘北短期大学
総務部
ICT教育センター担当
福井 宗明 氏

 

学校法人 ソニー学園 湘北短期大学

本 社 : 神奈川県厚木市温水428
設 立 : 1974年1月10日(開学認可)
従業員数 : 108名(2008年4月現在)
U R L : http://www.shohoku.ac.jp/index.html
事業内容 : ソニー株式会社の寄付により1964年学校法人ソニー学園設立、短期大学としては1974年に開学。現在は情 報メディア学科・生活プロデュース学科・保育学科・総合ビジネス学科の4学科で構成される。質の高い大学教育と親身な人間教育を特色としており、文部科学 省のGPにも6度選定された実績を誇る。
株式会社ニッセイコム 加藤氏

株式会社ニッセイコム
横浜支店
課長
加藤 耕治 氏

株式会社ニッセイコム 新井氏

株式会社ニッセイコム
システム技術開発本部
システム第一部
チーフエンジニア
新井 洋一 氏

 

株式会社ニッセイコム

本 社 : 東京都品川区大井1-47-1
設 立 : 1974年2月
U R L : http://www.nisseicom.co.jp/
6度のGP選定を誇る国内屈指の先進短期大学

神奈川県・厚木市。深緑に包まれた丘陵地の一角に、県内の短大では最大の規模を誇る湘北短期大学のキャンパスが広がっている。同大学が設立されたのは 1974年、開学にあたりソニーのファウンダーとして知られる井深大氏が理事を務めた。「本当に社会に役立つ人間は、上から自動的に与えられる教育からは生まれない。これからの日本には、自分自身で探求していく人材こそ が必要―」井深氏が開学時に寄せた言葉は、現在も同大学の基本理念として掲げられている。また、同大学では、文部科学省が特に優れた取り組みを選定する「GP」に単独申請で6度も選定されているが、これは全国に数百校ある短期大学の中でも最多である。
最近ではITの高度利用に取り組む大学も増えているが、同大学では、1990年に現在のICT教育センターの前身である情報教育センターを設置以来約20年にわたって、学内のIT化に取り組んできた。同大学ICT教育センターのセンター長を務める情報メディア学科内海太祐准教授は「電気や水道と同じように、いつでも安心して利用できる情報環境が大学にも不可欠であり、当センターでも、学生や先生方のIT活用を支援すべく、様々な取り組みを行っています」と語る。

学内の情報インフラを全面刷新大量のサーバ群の集約が課題に

同大学では、2009年度稼働を目指し、学内の情報インフラの全面刷新プロジェクト(S-Net'09)を敢行した。内海氏はその背景を「2003年にシステム/ネットワークの再構築を行ったが、その後教育へのIT利用が加速度的に進み、インフラが耐えられなくなり、こうした傾向は今後も継続することは間違いないと判断したため、早急に新たなインフラを構築する必要がありました」と説明する。
今回の再構築プロジェクトの対象は、学内LANの高速化、クライアントPCやプリンタのリプレース、電子メールシステムの外部ホスティング、認証基盤の一元化、認証VLAN、検疫など、多岐に亘る要望に応える必要があった。また、これらにも増して重要な課題であったのが、学内で稼働する大量のサーバ群の集約であった。
湘北短期大学 総務部 ICT教育センター担当福井宗明氏は「2003年の構築時には、Webサーバやファイルサーバなどの基本的なサーバ群だけで充分でしたが、その後GP等の特殊用途、講義・研究用など様々なサーバが導入された結果、台数が急速に増加致しました」と振り返る。しかも今回のプロジェクトでは、従来別々に分かれていた情報メディア学科用と全学用のシステム/ネットワークを統合し、サーバ群も一ヶ所に集中することになった。ところが、コンピュータ室のスペースに、既存のサーバ群をすべて設置するのは物理的に難しい状況であった。
同大学では、こうした課題をRFP(要求仕様書)にまとめ、パートナーの提案に期待しました。パートナー選定は2段階にわたるコンペとなり、最終的に採用されたのが、ニッセイコムとネットワールドの提案であった。そのキーポイントとなったのは、「VMware Infrastructure 3(以下、VMware)」によるサーバ仮想統合である。「VMware による仮想化そのものは、我々の念頭にありましたが、本学では数多くのOSが稼働しているため、全面的な仮想化は難しいと考えていました。その点、ニッセイコムとネットワールドは我々の要望に真摯に耳を傾け、より多くのシステムを仮想統合できるよう全力で支援してくれました。この姿勢を高く評価し、今回のパートナーとして選びました」(内海氏)。

多種多様なOSを仮想統合環境負荷の軽減にも成功

「S-Net‘09」と名付けられた新学内ネットワークシステムは、2009年4月より本稼働を開始した。従来は約50台の物理サーバが学内に設置されていたが、これを2台のブレードサーバ「日立製:BradeSymphony320」に集約した(現時点では33台分)。ここに搭載されたブレードの数は合計7枚であるが、1枚あたり4〜5台の仮想サーバが稼働している。また、その中に障害時の待機用ブレードを1枚搭載し、信頼性・可用性の向上を図っている。
湘北短期大学総務部ICT教育センター担当主任岡原武氏は「GP用のサーバなどはWebで情報発信を行うような単機能のサーバが多く、それほどCPUやメモリなどのリソースを消費しません。それにも関わらず、従来は1システムに1台の物理サーバが必要でした。こうしたサーバ群を効率的に仮想統合できたのは、非常に大きなメリットですね」と語る。 
今回のシステムは、先に内海氏も触れた通りゲストOSの種類が非常に多い。WindowsだけでもXP/2000/2003の3種類、Linuxに至ってはRedHat、FedraCore、Debian、CentOSと複数のディストリビューションが混在する上、バージョンも一つではない。構築にあたっては、この複雑な環境を、どうやって短期間で移行するかが課題になったという。
ニッセイコムの新井 洋一氏は「ゼロから環境を作っていたのではとても間に合わないので、VMware Converterを積極的に活用して工期短縮を図りました」と説明する。またLinuxベースのシステムのうち、サーバOSに依存しないアプリケーションについては、無償で利用できるCentOSへ移行してコストを削減。またニッセイコムの加藤耕治氏も「お客様側で最初にしっかりした要件定義を行って下さったことも、プロジェクトの成功要因であると感じています。我々としても、そのおかげでシステム構築に集中することができました」と語る。
こうしてサーバ群の集約に成功した同大学だが、もう一つ見逃せない効果が生まれている。導入以前と比較して、消費電力を実に約40%も削減。インフラ最適化やコスト削減だけでなく、ITのグリーン化にも成功したのだ。

湘北短期大学 構成図
NetVault Backupを導入し万全のデータ保護も実現

今回のプロジェクトでは、「NetVault Backup」によるバックアップシステムも新たに構築されている。万一の障害が発生した場合にも、迅速に業務を復旧するのが狙いだ。「できるだけリーズナブルに統合バックアップを実現できる製品を探していたところ、ネットワールドから『NetVault』を紹介されました」と新井氏。VMwareとの親和性が高く、機能も充分であることから、新システムへの採用を決めたと続ける。「ネットワールドでは、システム規模に最適なエディションも提案してくれたので、構築コストを抑えることができました」(新井氏)。 
現在は、システムの重要度に応じて日次、または週次でバックアップを取得しているほか、過去二世代分のブートイメージもバックアップしている。「Diskto Diskでのバックアップは今回が初めてですが、安定性が高く使い勝手も良い。安心してシステムを活用できるようになりました」と岡原氏は語る。
同大学では、物理サーバ上で稼働するシステムの仮想統合化を更に進めていくと同時に、研究・教育へのIT活用も推進していく構えだ。「VMwareを利用すれば、新たなサーバが欲しいといった要望にもすぐに対応できます。しっかりしたインフラが確立できたので、コンテンツの拡充などにも力を入れていきたいですね」と内海氏。「今後も学内のニーズはますます多様化しますが、基盤が整ったことで我々もこれにしっかりと応えていきたい」(福井氏)、「仮想化に よってシステムの可能性が大きく拡がったので、ユーザーに対してもITの便利な活用方法を伝えていきたい」(岡原氏)とそれぞれ意気込みを語る。さらなる飛躍を目指す湘北短期大学の活動に、ネットワールドのソリューションが貢献していくのである。

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