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導入事例  : 北弘電社

2009年6月18日

主要な業務システム群の仮想統合を決断
VMware Infrastructure 3を導入し
サーバ台数を従来の1/6に大幅削減

詳細な資料はこちらからPDF(652KB)

北海道を中心に電気工事事業を展開する株式会社北弘電社様(以下、北弘電社)では、業務のIT化を積極的に推進しています。2008年には工事関連の情報を現場から活用できるシステムを構築し、ビジネスの効率化に役立ててきました。しかし、今後に向けた情報戦略を考える中で、ITインフラの最適化とコスト削減が大きな課題に。そこで新たに導入したのが、ネットワールドが提供するサーバ仮想化ソフトウェア「VMware Infrastructure 3」です。以前は12台のサーバで稼働していた業務システム群を、わずか2台のサーバへ集約。これにより、システム構築コスト・ランニングコストの両方を大幅に削減すると同時に、高い信頼性・可用性も確保しています。

株式会社北弘電社 志賀氏

株式会社北弘電社
情報システム室
室長
志賀 準一 氏

株式会社北弘電社 岩田氏

株式会社北弘電社
情報システム室
情報システムGL
関根 和彦 氏

 
株式会社北弘電社 榎本氏

株式会社北弘電社
情報システム室
情報システム
G主任
榎本 重雄 氏

株式会社三菱電機ビジネスシステム 渡部氏

株式会社三菱電機
ビジネスシステム
北海道支店
技術課 主任
渡部 浩成 氏

 

株式会社北弘電社

創 業 : 1910年3月
設 立 : 1951年1月29日
資 本 金 : 8億4068万円
売 上 高 : 130億円(2009年3月期)
従業員数 : 183名(2009年3月末現在)
U R L : http://www.kitakoudensha.co.jp/
事業内容 : 北海道を中心に、屋内配線事業、電力関連工事事業、FA住宅環境設備事業、産業設備機器事業などの事業を手がける。情報通信・環境・エネルギーの3分野を今後の戦略分野と位置づけ、多面的な事業展開を行っている。

<パートナー概要>
株式会社三菱電機ビジネスシステム

設 立 : 1973年12月6日
資 本 金 : 4億円
売 上 高 : 175億円( 2009年3月期)
従業員数 : 873名(2009年3月現在)
U R L : http://www.melb.co.jp/
一世紀にわたる歴史を誇る電気工事のリーディング・カンパニー

北海道・札幌市に本社を置く北弘電社は、創業以来100年にわたって電気工事事業を手がけてきた業界のリーディング・カンパニーである。現在は、屋内配線工事事業・電力関連工事事業を展開する工事部門と、FA住宅環境設備機器事業・産業設備機器事業を展開する販売部門の二部門を設置。官公庁や電力会社、設備会社、建設会社、情報通信事業者などの顧客企業に対し、ハイレベルな技術とサービスを提供している。
北弘電社情報システム室の志賀準一室長は「特に屋内配線工事の分野では、道内でもトップクラスの実績を誇ります。北大や札幌ドームなど、道内の主要な施設・建築物の工事を施工しています」と胸を張る。また、電力関連工事についても、送電線から発電所の電気設備に至るまで幅広い分野の工事をカバー。道内大手としての地位を確立している。
同社がこれほどの成功を収められたのも、卓越した技術力があればこそだ。独自開発の施工技術の中には、特許や実用新案を取得したものも数多い。また、もう一つの強みが、道内随一の動員力だ。約60社の企業と協力関係を築いており、約300件の工事を同時並行で進められるという。「今後も道内トップの地位を維持し続けるべく、人材育成にも力を入れています」と志賀氏は力強く語る。

増え続ける業務サーバ群の仮想統合プロジェクトに着手

近年では工事業界においても、IT活用が経営上の重要なテーマになっている。同社でも情報の戦略活用をさらに加速すべく、2007年に情報システム室を新設。様々な取り組みを行ってきた。「2008年には、工事関連のデータを施工現場から照会できるWebシステムを新たに構築。現場で働く社員が、必要な情報をタイムリーに利用できる環境を実現しました」と志賀氏は説明する。
もっとも、現場部門の業務効率化を支援し続ける一方で、システム面での新たな懸念材料も抱えていたという。北弘電社情報システム室GL 関根和彦氏は、「いろいろなシステムが稼働するようになったことで、サーバの台数も急速に増加。中長期的な情報施策を考えた時に、現在のような投資が果たして 適正なのか疑問もありました」と振り返る。 
そんな時に、同社の目に止まったのが、ネットワールドが提供するサーバ仮想化ソフトウェア「VMware Infrastructure 3(以下VMware)」だ。大量のサーバ群を仮想統合すれば、ITインフラの最適化を図ることができる。とはいえ、それまで仮想化技術を利用した経験はなかったため、まずITパートナーである三菱電機ビジネスシステムに相談。さらにネットワールドにもコンタクトし、仮想化のメリットや市場動向についての説明を受けた。
「両社に話を聞いたところ、仮想化によって何らかの制約やデメリットが生じることもなさそう。大手企業などでも、数多くの稼働実績があるとのことでしたので、導入に向けた本格的な検討に入りました」(関根氏)。仮想統合を行った場合の効果を試算してみたところ、かなりのコストを削減できる手応えが得られた。このため経営トップからも、プロジェクトを進めるよう指示が下った。
ただし、問題になった点もあった。稼働中のサーバの中にはリース期間中のものがあったのだ。しかし同社では、リース期間が残っているサーバを入れ換えてでも、充分なコスト削減効果が見込めると判断。VMwareによる仮想統合に踏み切った。

12台のサーバを2台に集約性能・信頼性にも問題なし

今回の統合対象となったのは、1Uまたは2Uのラックマウントサーバで構築された全12システム。その中にはDNSサーバやDHCPサーバ、メールサーバ、Webサーバなどのネットワーク系サーバのほか、グループウェアサーバや図面管理サーバ、ファイルサーバなどの業務系サーバも含まれている。
従来の環境では1システム=1サーバの構成を取っていたため、12台の物理サーバが稼働していた。それが現在では、わずか2台のサーバに集約されている。 さらに「VMwareVMotion」「VMware DRS」「VMware HA」などの高信頼・高可用性機能を利用することで、もし片方のサーバの負荷が高まったり、障害が発生したりした場合にも、問題なく業務を継続できる環境 を実現。北弘電社 情報システム室 情報システムG主任榎本重雄氏は「以前と大きく環境が変わっているのに、ユーザー側ではまったくそのことを意識せずにシステムを利用できます。これは凄い技術だと感じましたね」 と語る。 
実は本番稼働開始後まもなく、2台の物理サーバのうちの1台が、復旧に物理サーバの停止を伴うハードウェア障害を起こしたことがあった。しかしこの時も、 VMware VMotionを使うことにより、仮想化されたサーバを止めることなくハードウェア交換作業を行ったため、業務への影響は全くなかったという。 
12台のサーバを2台のサーバに集約するとなると、システムのパフォーマンスも気に掛かるところだ。しかしこの点についても全く問題はないとのこと。「今回はクワッドコアCPUを2個搭載したサーバを採用し、1台に縮退した際でも充分な性能が確保できるよう配慮しました」と説明するのは、構築を担当した三菱電機ビジネスシステム 北海道支店の渡部浩成主任。サーバのサイジングについては、ネットワールドの支援も大いに役立ったと続ける。

株式会社北弘電社構成図
イニシャル・ランニングの両面で大幅なコスト削減に成功

VMwareへの統合を行ったことで、シンプルで効率的なITインフラが実現。さらに見逃せないのが、大幅なコスト削減に成功した点だ。関根氏は「個別のサーバで構築した場合と比較して、イニシャルコストは20〜30%下がる見通しで、電気代や保守費用も減るため、ランニングコストも30〜40%削減できると見込んでいます」と力強く語る。また、志賀氏も「今回移行したグループウェアは古いOS向けのバージョンなのですが、仮想環境上で動作させることで改修を加えずに済みました。既存資産を有効活用できるという意味でも、VMwareの導入効果は大きい」と続ける。 
今回のシステム統合プロジェクトでは、構築期間の短さも大きな課題であった。実際に構築作業に着手したのは2009年1月。その2ヶ月後の3月までに、本番稼働にこぎつける必要があったのだ。三菱電機ビジネスシステムとネットワールドでは、この難題をクリアすべく全面的なバックアッ プ体制を用意。「『VMware Converter』を活用して仮想環境への移行を短時間で終わらせると同時に、徹底的な検証作業も実施しました」と渡部氏。こうした努力の甲斐もあり、無事2ヶ月での短期構築を成し遂げた。
本番システムの仮想化で大きな成果を挙げた同社だが、今後はテスト環境などでもVMwareの活用を推進していく。また、将来的に新たな業務システムを構築する際にも、今回のインフラを活かしていく構えだ。志賀氏は今後の意気込みを「経営層や現場の活動をITで支援するのが我々の役目。使い勝手の改善も含め、より完成度の高いシステムを目指していきたい」と語った。

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