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導入事例  : アルソア本社

2009年6月15日

販売系基幹システムを「VMware」で仮想統合
3万人の販売員を支援する高信頼業務環境を実現

詳細な資料はこちらからPDF(444KB)

化粧品、健康食品、浄活水器の製造・販売を手がける株式会社アルソア本社(以下、アルソア本社)様では、顧客へのカウンセリングや受発注業務などを行う販売系基幹システム「e-Suite」を2001年に構築。全国59ヶ所に展開する販売会社と約3万人の販売員の業務活動を支えるシステムとして活用してきました。しかし、構築当初に導入したサーバ群が保守期限切れとなり、新たなインフラに載せ替える必要に迫られました。そこで同社では、これを機に、より最適なIT環境を実現する取り組みに着手。 ネットワールドが提供するサーバ仮想化ソフトウェア「VMware Infrastructure 3」でサーバ群を仮想統合し、大幅なコスト削減と運用管理の効率化を実現しています。

株式会社アルソア本社 北村氏

株式会社アルソア本社
経営開発部
情報システムユニット
リーダー
北村 貴志 氏

株式会社アルソア本社 中飯田氏

株式会社アルソア本社
経営開発部
情報システムユニット
ユニットマネージャー
中飯田 明秀 氏

 
株式会社アルソア本社 野村氏

株式会社アルソア本社
経営開発部
情報システムユニット
野村 秀憲 氏

 

株式会社アルソア本社

本 社 : 山梨県北杜市小淵沢町2961
創 業 : 1972年7月
設 立 : 1998年7月
資 本 金 : 3億8000万円
売 上 高 : 132億円(2007年度実績)
従業員数 : 294名(2008年3月1日現在)
U R L : http://www.arsoa.co.jp/
事業内容 : 「自然法則に基づいた真の健康と幸福づくり」を企業理念に、化粧品や健康食品、浄活水器の研究・開発・製造・販売を手がける。「黒いせっけん」として知られる「アルソア クイーンシルバー」は、創業以来のロングセラー商品である

<パートナー概要>
日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社

本 社 : 東京都品川区東品川四丁目12番7号
設 立 : 1970年9月21日
資 本 金 : 341億円
従業員数 : 5,283名
U R L : http://hitachisoft.jp/
自然との調和をコンセプトに高品質な化粧品を提供

国内屈指の高原リゾートとして知られる山梨県・北杜市小淵沢町。美しい自然林に囲まれた山あいの道路を駆け抜けると、まるで美術館のような佇まいを見せる建物が目に飛び込んでくる。「自然との調和」を事業コンセプトとして掲げる化粧品メーカー、アルソア本社の社屋である。経営開発部 情報システムユニットの中飯田明秀マネージャーは「以前は東京都心に本社を置いていましたが、『自然』や『水』を重視する企業理念を具現化すべく、1998年に小淵沢へ移って来ました」と説明する。
同社のビジネスの最大の特徴は「肌本来の力を効果的に引き出す」ことをテーマとしている点だ。「現在では健康食品や浄活水器、マクロビオティックなどの事業も展開していますが、いずれの分野でも『人が元々持っている力を最大限に活かす』ことを基本としています」と中飯田氏。最近でこそ自然派、無添加などのキーワードを掲げる化粧品メーカーは珍しくないが、同社では1972年の創業以来、ずっとこのコンセプトを貫き続けてきた。長年にわたり成長を遂げてきたのも、こうした姿勢が多くの女性の共感を呼んだことの証と言えるだろう。

販売系基幹業務システムの仮想統合プロジェクトに着手

顧客に高品質なサービスを提供する上では、ITの力も欠かせない。経営開発部情報開発ユニットの北村 貴志リーダーは「スタッフが快適に働ける環境を用意することが我々の役目。現場の声にも積極的に耳を傾け、システムに活かす取り組みを推進しています」と 語る。その代表例とも言えるのが、2001 年に構築した販売系基幹システム「e-Suite」だ。
「当社では販売員による訪問販売モデルを採用しており、お客様の肌の状態を調べたり、健康に関するお悩みを伺ったりするなどして、きめ細かなカウンセリングを行っています」と北村氏。販売員の数は全国で約3万人。また各地域ごとに販社を置いており、その数は59社に上るという。e-Suiteは、この3万人・59社の活動を支える業務基盤であり、顧客管理や売上管理など、様々な機能を提供している。
しかし2008年に、e-Suiteに関して一つの課題が持ち上がった。構築当初に導入したサーバ群が保守期限切れとなり、更新を行う必要に迫られたのだ。経営開発部情 報システムユニットの野村秀憲氏は「せっかくコストを掛けて再構築を行うのに、単にサーバを入れ換えて終わりでは意味がない。この機会に、何か新しいことに取り組むべきだと考えま した」と振り返る。 
そのための方策として、まずはブレードサーバによるサーバ集約を検討。しかし同社のITパートナーである日立ソフトウェアエンジニアリングから、もっと効果的な方法があるとの提案が寄せられた。それはネットワールドが提供するサーバ仮想化ソフトウェア「VMware Infrastructure 3(以下VMware)」による仮想統合だ。「日立ソフトさんのアセスメントサービスを受けたところ、物理サーバの台数やシステムコストを大幅に減らせるとのことでした。当社としても最新のテクノロジーを導入できるチャンスですので、前向きに検討を開始しました」(野村氏)。 
もっとも、仮想化技術を導入するのは今回が初めて。しかも、ターゲットは極めて重要な基幹業務システムである。仮想環境に移行して本当に大丈夫か、少なからず不安もあったという。「しかし、仮想化に限らず、初めての取り組みにおいてリスクがゼロということはありえない。充分な備えをして望めば大丈夫と考え、VMwareの導入に踏み切りました」と中飯田氏は語る。

スムーズに進んだ移行作業高い信頼性・可用性も確保

新システム基盤の構築作業は2008年7月よりスタート。9台の物理サーバで稼働していたシステム群を、順次VMware 上に移行させていった。ここで最も懸念されたのが、e-Suiteを構成するアプリケーション群が、仮想環境上でちゃんと稼働するかどうかという点であった。しかし、実際に作業に取りかかってみると、全くトラブルらしいトラブルは起きなかったという。
「コンバートツールの『VMware Converter』を利用してシステムを移行したのですが、何も手を加えない状態でもほぼ問題なく稼働しました。移行作業は極めてスムーズだったという印象ですね」と野村氏。動作に不具合のありそうなプログラムといえば、古いデバイスドライバのごく一部くらい。それも現在の業務には影響のない部分だったので、特に改修も加えなかったとのことだ。 
基幹業務システムに欠かせない信頼性・可用性については、「VMware VMotion」「VMware HA」などの機能が威力を発揮。2 台の物理サーバ間でHA 構成を取ることで、万一の障害時にも迅速に業務復旧が行えるようにしている。
実は旧システムでは、マイクロソフト社のクラスタ技術であるMSCS(Microsoft ClusterService)を利用し、DBサーバの冗長化を行っていた。また、サーバ群の負荷分散を行うために、ロードバランサなども導入していた。しかし、現在ではこれらの技術や装置も不要になり、システムから撤去されている。

株式会社アルソア本社構成図
システムコストの大幅削減に成功今後も適用分野をさらに拡大

綿密な検証作業を経て、VMwareによる新システムは2008年12月より本稼働を開始。中飯田氏はそのメリットとして、まずコスト削減を挙げる。「物理サーバの台数が9台から2台に減った上、コストを掛けてアプリケーションを改修する必要もありませんでした。おかげでシステムコストを約20%削減できました」(中飯田氏)。情報システム部門では、これまでもITコスト削減に積極的に取り組んでおり、過去5年間で運用管理コストを半減させることに成功している。「こうした活動をさらに加速させていく上でも、VMwareを導入した意義は大きい」と中飯田氏は続ける。 
また、現場でシステムを活用するユーザーの利便性も向上した。「旧システムではパフォーマンスに不足を感じる場面もあったのですが、再構築を行ったことでレスポンスは大幅に改善されました」と北村氏はにこやかに語る。
さらに見逃せないのが、運用管理の効率化だ。「サーバやロードバランサなどの機器が減ったことで、物理的な監視ポイントが減少。また、システム全体のイメージを簡単にバックアップできるため、メンテナンスなどの作業も格段に容易になりました」と野村氏。統合管理ツール「VMware vCenter」の使い勝手も高く評価しているとのことだ。 
同社では今後も仮想環境を活用し、IT環境の最適化をさらに進めていく構えだ。「今回のような業務環境だけでなく、テスト環境のインフラとしても有効に使えそう。応用範囲の広いソリューションなので、いろいろな使い方を考えていきたい」と北村氏。中飯田氏も今後の意気込みを「現在、お客様満足度のさらなる向上を目指すプロジェクトを推進中ですが、ハードウェア投資不要でシステムを構築できるVMwareはここでも大きな効果が期待できます。今後も積極的に 活用し、現場のユーザーや経営マネジメント層の活動を支援していきたい」と力強く語った。

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