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導入事例  : 佐倉市役所

2008年10月23日

約50台の庁内業務サーバを「VMware」で統合
仮想化技術の活用で、行政コストの大幅削減を実現

詳細な資料はこちらからPDF(528KB)

千葉県・佐倉市様では、庁内業務サーバの集約プロジェクトを実施されました。地方自治体の財政状況が厳しさを増す中、ITインフラに対しても一層のコスト削減が求められています。また、重要な住民情報を含むシステムの安全対策も急務となっています。そこで同市では、これらの 課題を解消する手法として、大量の業務サーバ群の仮想統合に着目。ネットワールドが提供するサーバ仮想化ソフトウェア「VMware Infrastructure 3」を導入し、約50台の業務サーバを仮想環境に移行。ハードウェアコストや運用コストの大幅削減、情報セキュリティ向上など、様々なメリットを実現しています。

佐倉市役所 前原氏

佐倉市役所
総務部 情報システム課
前原 一義 氏

佐倉市役所 松本氏

佐倉市役所
総務部 情報システム課
松本 賢一郎 氏

 

佐倉市

面 積 : 103.59km²
人 口 : 175,365人(2008年8月末現在)
世帯数 : 68,695世帯(2008年8月末現在)
U R L : http://www.city.sakura.lg.jp/
概 要 : 佐倉町、臼井町、志津村、根郷村、和田村、弥富村の合併により、1954年3月に市制施行。比較的温暖な気候と豊かな自然環境に恵まれ、古くから城下町として栄えた歴史を持つ。印旛沼や国立歴史博物館、市立美術館などの観光・文化スポットを訪れる人も数多い。

<パートナー概要>
株式会社大崎コンピュータエンヂニアリング

本 社 : 東京都品川区大崎1-11-2
設 立 : 1954年1月
資本金 : 9,000万円
従業員数 : 300名
売 上 高 : 86億9500万円(2007年3月期)
U R L : http://www.oce.co.jp/
職員の技術スキルを強化し最適な行政サービスを目指す

千葉県北部に広がる北総台地。そのちょうど中央部に、県内の中核都市の一つとして知られる佐倉市が位置している。印旛沼や佐倉城址、国立歴史博物館など、数多くの観光・文化資源に恵まれた同市では、都心や成田空港への交通アクセスの良さから、商業地・住宅地の開発も盛んに行われている。
こうした同 市の行政活動を、IT面から支えているのが総務部情報システム課だ。電子自治体の実現に向けた取り組みが進む現在、住民サービス向上と庁内業務の効率化の両面で、ITの活用が欠かせなくなっている。そこで同市でも、様々な情報化政策を展開。また、情報システム課職員のスキルアップにも力を注いでいる。
総務部情報システム課の前原一義氏は「最適な行政サービスを実現していくためには、職員にもベンダのSEと対等に話せるスキルが不可欠。研修会などにも積極的に参加して、技術レベルの向上を図っています」と説明する。庁内で稼働するシステムの中には、職員の自主開発によるものも多いとのことだ。

ITコスト削減を図るべく庁内業務サーバの集約に着手

自治体システムの構築・運用を行っていく中では、様々な課題もあった。特に大きな問題となっていたのが、ITコストの削減である。地方自治体の財政状況は、全国的にも厳しい状況が続いている。同市も例外でなく、可能な限り無駄なコストを省いていく必要があった。そこで目を付けたのが、庁内業務で使用する サーバ群の集約である。
「基幹メインフレームのリプレースも検討はしていますが、これには多額の費用が掛かる上にリスクも高い。まずは、各担当課の業務サーバを集約していくことで、コスト削減を図りたいと考えました」と前原氏は語る。また、庁内業務サーバの集約は、セキュリティ面からも迅速な取り組みが求められていた。総務部 情報システム課の 松本 賢一郎氏は「従来はそれぞれの担当課に、直接フロアタイプのサーバを設置していました。もちろん、簡単に持って行ったり、触ったりできるようなものではありませんが、盗難や不正使用の可能性がゼロではない以上、適切な対策を講じる必要があります。集約したサーバを情報システム課の管理下に置くことで、セ キュリティリスクを軽減したいと考えました」と話す。
そのための手段として選ばれたのが、ネットワールドが提供するサーバ仮想化ソフトウェア 「VMware Infrastructure3」(以下、VMware)」である。実は松本氏、数年前から仮想化技術に興味を抱いていたのだという。「技術的な関心から、VMware 1.0 for Linux(1999年リリース)の上で仮想マシンを動かしたりしていました。今回のサーバ集約の話が持ち上がった際にも、ひょっとしたら業務に使えるのではと感じたのです」と松本氏は振り返る。
もっとも、検討を始めた当時は、周囲に参考になるような事例は皆無。「情報も思うように入手できない」(前原氏)という状況だった。しかし、同市には、もともと新技術の導入をためらわない気風がある。早速、自前でテスト環境を構築して検証作業を実施。また、同市のITパートナーである大崎コンピュータエンヂニアリングからネットワールドの紹介を受け、構築や運用に関わる疑問点を解消していった。その結果、十分な性能、信頼性、安定性を備えていることが分かったため、2007年度よりVMwareの本格的な導入に着手した。

約50台の業務サーバをVMwareで仮想化

庁内業務サーバ集約プロジェクトの第一弾として選ばれたのは、DNSやドメインコントローラ、Windows及びウィルス対策ソフトのアップデートサーバなど、主にネットワークに関連したサーバ群である。前原氏はその理由について「一度に大量のサーバを仮想化するのは財政的に厳しいので、更新時期を迎えたサーバ群から順番に集約する方法を取りました」と説明する。ちょうど、当時はネットワーク系のサーバ群がリプレースの時期だったため、その更新予算を仮想 化の費用に充てたのだ。
もっとも、従来システム分の予算をそのままVMwareに廻すということは、並行稼働の期間が取れないということでもある。「いきなり本番システムへの適用という意味では、かなりのチャレンジでしたね。ただ、検証期間中に特に問題ないはずだという手応えを感じていましたので、大きな不安はありませんでした」と前原氏は話す。
同市ではネットワールドや大崎コンピュータエンヂニアリングの支援も活用し、その後も着々と仮想化を推進。現在は8台のVMware ESX サーバ上で、約50の仮想サーバを稼働させている。システムの内容も、ファイルサーバや財務会計システム、人事給与系の一部システム、福祉関連システムなど、多岐にわたっている。ゲストO S の種類も、Windows2000 Server、Windows Server 2003/2008、Linuxと様々だ。
「いろいろなOSのシステムが、同じ物理環境上で動いてくれるのはありがたい」と前原氏。また松本氏も「調達年度ごとに物理サーバのCPUが異なるのです が、VMware EVCの機能によりVMware VMotionやDRSなどの機能も問題なく動作しています。これには少々驚きました」と続ける。集約対象の中には重要な業務システムも多数含まれているが、「性能・信頼性ともにまったく不満はない」(前原氏)とのことだ。

4000万円のコスト削減に成功 現場の業務効率化にも貢献

前原氏はVMwareの利点として、サーバリソースを効率的に利用できるようになった点を挙げる。「1システム・1物理サーバだった時代の半分くらいのリソースでも、業務運用にまったく支障が出ない。従来型の環境では、いかにリソースを無駄に使っていたかを痛感しましたね」(前原氏)。ベンダにシステム改修を依頼する際にも、VMwareの場合イメージファイルで環境の受け渡しができるため、運用性も大幅に向上。松本氏も「ハードウェアの保守やバックアップなども、業務を止めることなく行えます。 また、一度物理サーバに障害が発生したことがあるのですが、この時もVMware HAのおかげですぐに復旧が行えました」と満足げに語る。
また、今回のシステムでユニークなのが、保育園向け業務ソフトをインストールしたWindows XPクライアントも仮想化している点だ。以前は、市内8カ所の保育園職員が、このソフトを使うためだけにわざわざ市庁舎まで出向いていたという。しかし現在では、各保育園の端末からこのPC(仮想マシン)にRDPでリモート接続できるため、効率的に業務をこなせるようになった。
懸案であったコスト削減の面でも、多大な効果が上がっている。同市ではVMwareの導入に際して、5年間で約4000万円のハードウェアコスト削減を見込んだが、この目標は余裕でクリアできる見通しだ。しかも、それ以外にも、サーバが消費する電気代や運用管理に掛かるコストなど、様々な費用の削減につながっている。「セキュリティの問題も無事に解消。また、以前は各担当課の職員がバックアップなどの運用を行っていましたが、こうした現場の負担もなくなっています」と松本氏。前原氏も今後の意気込みを「新規調達するシステムに関しては、すべてVMware上での動作を前提とする予定です。現場の業務を支援する上でも、仮想環境を積極的に活用していきたいですね。ネットワールドの支援にも大いに期待しています」と力強く語った。

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