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導入事例  : スバルシステム

2007年5月20日

シンプルなIT環境を目指して統合化を推進
「VMware Infrastructure 3」を採用し
サーバ運用の効率化とコスト削減に成功

詳細な資料はこちらからPDF(1.5MB)

富士重工業グループのIT企業であるスバルシステムサービス株式会社(以下、スバルシステムサービス)では、2005年よりオープン系システムの統合プロジェクトに着手した。急速に増加したリソース群を集約化し、シンプルで安定した環境を実現するのが狙いである。その一環として、まずはストレージとバックアップ業務の統合を実施。さらに第三段階として、サーバ統合にも取り組んだ。ここで採用されたのが、ネットワールドが提供するサーバ仮想化ソリューション「VMware Infrastructure 3」である。大量の物理サーバを仮想環境上に統合することで、運用効率化やコスト削減など様々なメリットを実現している。

スバルシステムサービス株式会社 茂木氏

スバルシステムサービス
株式会社
電算部 電算2課
課長
茂木 一啓 氏

スバルシステムサービス株式会社 内野氏

スバルシステムサービス
株式会社
電算部 電算2課
チーフ
内野 幸雄 氏

スバルシステムサービス株式会社 鎗田氏

スバルシステムサービス
株式会社
運用部 運用課
鎗田 明 氏

 

日本情報通信株式会社 板垣氏

日本情報通信株式会社
法人営業部 製造営業部
板垣 慶一 氏

 

スバルシステムサービス株式会社

本 社 : 東京都新宿区西新宿1-7-2
設 立 : :1993年4月1日
資 本 : 1億円
従業員数 : 217名(2007年5月1日現在 出向者含む)
売上高 : 73億8100万円(2005年度実績)
URL : http://www.sss.ne.jp/
事業内容 : 富士重工業株式会社の情報システム部門を母体として1993年に創立。販売・生産・物流などの基幹システムをはじめ、様々な業務システムの企画・構築・運用ソリューションをトータルで提供している。
効率的なIT環境を実現すべく統合化プロジェクトに着手

「レガシィ」「インプレッサ」「ステラ」など、様々な人気車種を世に送り出している富士重工業株式会社。また自動車事業以外にも、航空宇宙事業や産業機器事業、エコテクノロジー事業など、多面的な事業展開を推進している。
こうした富士重工業グループのビジネスを、IT面から支援しているのがスバルシステムサービスだ。「当社では主に、自動車の生産・販売に関わるシステムの 企画・開発・運用を担当しています」と説明するのは、スバルシステムサービス 電算部 電算2課 課長 茂木 一啓氏。東京・新宿に本社を構える同社だ が、茂木氏の所属する電算2課は富士重工業・群馬製作所の本工場内にオフィスを設置。生産現場と一体となった活動を行うことで、モノづくりを強力にバック アップしている。
ITの高度化が進んだ現在では、システム環境も以前とは大きく様変わりした。茂木氏は「従来はメインフレームが主体でしたが、最近ではオープン系のシステ ムも数多く導入されています。あまり複雑化が進むと維持管理や安定運用に支障が生じますので、なるべくシンプルな環境を追求したいと考えています」と語 る。
同社ではその一環として、2005年よりオープン系システムの統合プロジェクトに着手。まずアプリケーションへの影響が比較的少ないストレージ統合を実施 し、第二弾としてバックアップ統合にも取り組んだ。これに続く第三弾として、懸案になっていたのがサーバ統合である。ちょうど2000年頃に導入したサー バ群が更新時期を迎えたこともあり、これを機に具体的な取り組みに入ることとなった。

サーバ統合のインフラとして「VMware Infrastructure 3」を採用

作業を進めるにあたっては、ハードウェアだけでなく運用も含めた効率化が課題になった。スバルシステムサービス 電算部 電算2課 チーフ 内野 幸雄氏は、「単純にサーバを物理的に集約すれば、それで効率化が実現できるというものではありません。たとえば、開発担当ではない要員が運用しても、問題なく作業が行えるようでないと意味がない。そこで環境をいかに標準化・共通化するかという点を重視しました」と語る。
運用現場の最前線においても、サーバ統合へのニーズは高かった。スバルシステムサービス 電算部 電算2課 鑓田 明氏は「現状の形態のままでサーバ更新を行うと、移行作業中は台数が2倍になります。そのためにUPSやネットワーク機器を用意するのはムダですし、運用管理負担も大幅に増えてしまいます。こうした問題を避ける上でも、統合化が有効と考えました」と語る。
サーバ統合にはいくつかの手法が存在するが、今回はブレードサーバなどの採用は考えなかった。茂木氏はこの点について「我々の開発業務のパターンとして、一時期に大量のシステムを再構築するようなことはあまりない。このためブレードサーバだと、フレームを全部使い切れないうちに更新時期を迎えてしまいます。それよりは、その時々に一番性能の良いサーバを導入する方が、我々の開発パターンに合っていると判断しました」と語る。
これと同時に目を付けたのが、仮想環境による統合である。「仮想化技術そのものはメインフレーム時代から存在しますから、オープン環境でも効果が見込めるはずと考えました。ただ取り組み当初はまだ実績が少なかったため、導入を見送っていたのです」(茂木氏)。しかし他社の事例などを調べるうちに、特に問題がないことが分かってきた。そこで同社では、サーバ統合に向けた本格的な動きを開始。ここで選ばれたのが、ネットワールドが提供する「VMware Infrastructure 3」(以下、VMware)である。

VMotion+DRSによる自律的な運用を実現
システム概要図

今回のシステム構築を担当したのは、同社のITパートナーである日本情報通信株式会社(以下、日本情報通信)だ。「複数のベンダに提案を依頼しましたが、ネットワールドと日本情報通信の提案が一番当社に適していました」と茂木氏は語る。
特に決め手となったのが、導入に際しての支援体制だ。「いくら技術的な問題がないと言っても、実業務に適用するのは今回が初めて。一台の物理サーバにどれくらいの仮想サーバを集約できるのか、信頼性は大丈夫かなど、不安な点も少なくありませんでした」と内野氏は振り返る。そこで日本情報通信では、自社所有の検証環境を提供するなど、万全の体制で導入をバックアップ。日本情報通信 法人営業部 製造営業部 板垣慶一氏は、「お客様ニーズのしっかりと把握し、導入作業をスムーズに進めることに注力しました」と語る。また豊富な構築実績やユーザーへの教育体制など、ネットワールドのサポートに対しても高い評価が寄せられた。
構築作業には2006年7月に着手。10月に開発用環境を社内に公開し、12月より本番稼働を開始した。現在は3台の物理サーバ上で「VMware ESX Server」を動かすと共に、仮想マシンのサーバ間移行を可能にする「VMware VMotion」、システムリソースの動的割り当てを実現する「VMware DRS」、高可用性ソリューション「VMware HA」なども活用している。
「VMotionとDRSを組みあわせれば、3台のサーバ負荷を自動的に平準化できます。特に管理者側で意識しなくとも、自律的な運用が実現できました」と鑓田氏は満足げに語る。本稼働当初は本番用/開発用でリソースプールを分けていたが、VMotion+DRSの効果が期待以上に大きかったことから、現 在では一つのリソースプールを共有しているとのことだ。また、信頼性についての不安も解消。内野氏は「開発環境を稼働させて以来、ずっと安定稼働を続けてくれています。万一に備えてHAも導入してありますので、信頼性や可用性への懸念は払拭できました」と語る。

大幅なコスト削減に成功システム品質の向上にも寄与

VMwareを導入したことで、様々なメリットがもたらされた。まず一点目はサーバコストの削減だ。「現状でも約3割のコストが削減できていますが、最終的には5割程度まで減らせると見込んでいます」と茂木氏。鑓田氏も「ミドルウェアによっては、ライセンスが物理CPU単位での課金に。これによるコスト削減はもちろん、ライセンス管理も楽になりました」と続ける。
また、運用管理の効率化にも大きく貢献している。従来はサーバが必要になった場合、ハードウェアの調達やOSのインストール、設定作業などを個別に行わなくてはならなかった。しかし現在では、VMwareのテンプレート機能を利用して、簡単に環境を構築することができる。テストを行う際なども、クローン機能を利用することで大幅な期間短縮が実現できた。「クローン機能を使えば、本番環境と同じ環境を利用したテストなども行えます。期間短縮だけでなく、システム品質の向上にも役立っていますね」(鑓田氏)。
同社の取り組みの特徴として、将来を見据えて環境を構築している点が挙げられる。「先にも述べた通り、安定運用を実現するためには、システムの標準化を進めていくことが重要です。VMwareによる仮想環境は、そのための基盤として非常に有効だと考えています」と内野氏は力強く語る。今後は物理サーバの集約をさらに推進していくと同時に、ディザスタリカバリなどの用途にもVMwareを活用していくとのことである。

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