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導入事例  : ネットワールド社内事例

2011.03.31

新基幹システム稼働に伴い社内システムを「100%仮想化」
〜DBサーバを含むすべてのサーバの仮想化と統合監視・管理での安定稼働を実現〜

詳細な資料はこちらからPDF(488KB)

ITインフラのソリューション・ディストリビュータである株式会社ネットワールド。同社では、販売、購買、財務およびパートナー向けの販売店支援といった基幹システムの全面再構築を実施し、新システム「CUVE」を稼働させた。
仮想インフラを全面的に採用した同システムの運用管理には「Senju OperationConductor」を採用。ハードウェアからハイパーバイザー、OS、アプリケーションにいたるまでのすべてのレイヤーを網羅する統合的な運用監視を行うことで、システム全体の稼働に関する高度な安定性を確保。あわせて、万一の障害への速やかな対応も実現している。

株式会社ネットワールド 情報システム室 主任 清水 俊幸

株式会社ネットワールド
情報システム室
主任 清水 俊幸

 
提供する製品や技術を自社システムでショーケース化

ITインフラに関するソリューション・ディストリビュータとして知られるネットワールド。急速な発展を続けるIT環境をめぐるユーザのニーズに応えるべく、常に革新的なIT基盤製品の提供とサービス&サポートを柱として事業を展開している。
同社がユニークなのは、仮想化やストレージ、バックアップ、ネットワーク、セキュリティなどの分野の技術者を数多く擁し、先進的な技術製品を活用したソリューションの提案に多くのリソースを割いている点だ。
「そうした活動を通じて、より大きな付加価値をお客様に提供するとともに、パートナー企業にとっても、なくてはならない組織を目指しています」と同社情報システム室 主任の清水俊幸氏は語る。
先頃同社では、従来SAP R/3で稼働させてきた販売、購買、財務、およびパートナー向けの販売店支援システムといった基幹システムの再構築を敢行。2010年9月23日から、本格稼働を開始した。同社の技術とノウハウを結集させた新しい基幹システムの名称は「CUVE(Cloud computing、Utility computing、Virtual environment、E-business:キューヴ)」。パートナーの多様な要望や様々な販売形態に対応するとともに、取扱い製品の拡大といった動向にも応えられる柔軟性の高いシステム基盤を目指している。
「新システムの重要なテーマの1つは、当社の付加価値を可視化すること。つまり提供する製品や技術を自社システム上でショーケース化することで、ソリューションの導入を検討されるお客様に、より具体的な活用イメージを抱いていただきたいと考えています」と清水氏は説明する。
CUVEの最大の特徴となっているのが仮想環境を全面的に採用している点だ。販売、購買、財務などのミッションクリティカルな基幹システムには「VMware vSphere 4」を採用している。CUVEでは、データベースシステムとして、OracleとSQL Serverを使用している。設計段階では、DBサーバにかかる負荷が予測できなかったことと、クラスタシステムを仮想サーバで稼働させることに技術面で不確かな要素があったため、CUVEカットオーバ時には、2つのDBサーバを、それぞれ2台の物理サーバでクラスタ構成にして稼働開始させた。
カットオーバ後、2ヶ月間稼働状況を監視し、CPU、メモリ使用率、及びIO数などの情報を取得して分析した結果、仮想サーバで稼働させても十分な性能が発揮できると判断、その結果を基に、2つのクラスタ化したDBサーバをVMware vSphere4の仮想サーバに移行させ、9月23日より、「CUVE」全体の仮想サーバでの稼働を開始している。結果として従来稼働させていた計29台のサーバを7台の物理サーバへ集約している。

仮想環境を含むあらゆるレイヤーでの 統合的な運用管理を実現

稼働のレポートサンプルこうした新たな基幹システムの稼働に伴って、ネットワールドではシステムの運用管理の形態も刷新。「特にCUVEでは、パートナー各社に向けた支援システムもリニューアルしており、外部ユーザの利用を考慮すると、24時間365日のシステム稼働を支えられる運用管理の実現が不可欠だと考えました」と清水氏は語る。 
一般に仮想化を採用したシステムでは、運用管理が複雑化し、物理環境とは異なる運用管理ノウハウが必要となる。そこで同社では、仮想マシンごとのCPUやメモリの利用率といった稼働状況はもちろん、仮想マシンが動作する物理サーバの稼働状況も合わせた統合的な監視を実現。 
データベース単体、アプリケーション毎、物理サーバ単位などに細分化された十数種類の稼働レポートを定期的に作成し、それに基づき詳細に物理環境、仮想環境の状況を総合的に捉えられる環境を整備している。定期レポートによる仮想化システムの見える化により、経営層に対する仮想化のメリットを定量的に報告できている。全体を俯瞰して、リソースの状況を容易に見極められるため、余裕のあるリソースを負荷の高い他のシステムに割り当てたり、必要なリソースを随時追加していくなど、システム全体の最適化を継続的に図っていける環境が整いました」と清水氏は強調する。

混在した仮想環境を物理レイヤーまで含めて透過的に管理できる点が決め手

ネットワールドにおけるこうした運用管理において中核的な役割を担っているのが統合システム運用管理ツール「Senju OperationConductor」だ。同社では、CUVEの構築に当たって「Senju Operation Conductor」の採用をいち早く決定した。 
その採用理由として、清水氏はまず最初に「使い易さ」をあげる。「インストールや各種設定がきわめて容易で、監視対象のノードを追加するといったことも手軽に行えます。特別なスキルも一切必要ないので、管理者が変わった際などにもスムーズに対応することができます。また、国内ベンダーが開発したツールである点も重要なメリットです。
日本の企業では、きめ細かな手順にともなった運用が求められます。その点、運用現場の実情に即してデザインされた「Senju OperationConductor」であれば、我々のニーズを満たしてくれます」と清水氏。さらに、万一の際の速やかなサポートが期待できる点も高く評価したという。 
加えて、「Senju Operation Conductor」が仮想環境をマルチサポートしている上、物理環境も含めたトータルな運用管理が可能な点も重要なポイントとなった。CUVEでは現状でVMwareを含む複数の仮想化ソフトを利用しているが、「Senju Operation Conductor」であれば柔軟に対応していくことが可能だと判断した。 
また、「 Senju Operation Conductor」が物理サーバやハイパーバイザー、仮想マシンにエージェントを導入することなく監視、運用が行える点も、管理者の作業負荷やライセンスコストの削減という観点で大きな魅力を感じたという。

ネットワールド 構成図

さらなるブラッシュアップにより次世代基幹システムのモデルを示す

今後同社では、再構築したシステムの運用を通して、安定性や性能といった観点から、仮想環境の基幹システムに求められる要件を検証し、そこで得られた成果を顧客の提案にも大いに活かしていく考えだ。 
また、在宅勤務というワークスタイル実現を見据え、社内PCのシンクライアント化を行うプロジェクトも今回の仮想環境上のリソースを利用して進行中、すでにパイロット的に社内への導入が始まっている。 
「そのためにも、『Senju Operation Conductor』を中核にしたシステム運用管理の強化を継続的に図っていくことが必要だと考えています。
近い将来、ハイパーバイザーや仮想マシンの起動・停止といった仮想環境の制御など、システム障害時の復旧をはじめとする運用管理の自動化を進めていく予定です。こうしたシステムのブラッシュアップをさらに進めることで、次世代基幹システムの1つのモデルを提示していければと思います」と清水氏は今後の抱負を語る。

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