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導入事例  : 株式会社大林組

2011.10.11

ディザスタリカバリ(DR)サイトの予備システムを
VMware+StorMagic SvSANで仮想化。
外部ストレージ不要でVMware HA/vMotionを実現

PDF版はこちらからPDF(1.3MB)

ディザスタリカバリ(DR)用の環境を構築する際に、しばしばネックとなるのがコストの問題です。本番システムと同等の信頼性を確保するのが理想ですが、平時は使用しないシステムにあまり高額な投資を行うわけにもいきません。
ゼネコン大手の株式会社大林組様(以下、大林組)でも、この点が大きな課題となりました。本番システムの仮想化に成功した同社では、DRサイトにおいても仮想化を決断。しかし、予備システムのために、VMwareHAやvMotionに必須の外部ストレージを導入することがコスト的に困難だったのです。
そこで同社では、ネットワールドが提供する仮想ストレージソフト「StorMagic SvSAN」を採用。サーバ本体内蔵ディスクを仮想的な共有データストアとして使用することで、DRサイトの高信頼性・高可用性化を、低コストで実現しています。

株式会社大林組 グローバルICT推進室 共通基盤整備課長 奥田 由起憲 氏

株式会社大林組
グローバルICT推進室
共通基盤整備課長
奥田 由起憲 氏

 

株式会社大林組

本 社 : 東京都港区港南2-15-2
創 業 : 1892年1月
U R L : http://www.obayashi.co.jp/
事業概要 : 東京スカイツリー®をはじめ、日本を代表する建造物の設計・施工を数多く手がけてきたゼネコン大手。地域開発や都市開発、海洋開発などの事業も手がけるほか、近年では省エネ化・環境負荷軽減への貢献を果たすための先進技術開発も推進している。
株式会社オーク情報システム 運用サービス第二部 担当部長 兼 ネットワーク基盤運用グループ長 丸山 千秋 氏

株式会社オーク情報システム
運用サービス第二部 担当部長
兼 ネットワーク基盤運用グループ長
丸山 千秋 氏

株式会社オーク情報システム 運用サービス第二部 次長 兼 インターネット基盤運用グループ長 中田 久功 氏

株式会社オーク情報システム
運用サービス第二部 次長
兼 インターネット基盤運用グループ長
中田 久功 氏

 
株式会社オーク情報システム 運用サービス第二部 業務システム基盤運用グループ長 川辺 浩史 氏

株式会社オーク情報システム
運用サービス第二部
業務システム基盤運用グループ長
川辺 浩史 氏

株式会社オーク情報システム 運用サービス第二部 インターネット基盤運用グループ 主任 山田 裕也 氏

株式会社オーク情報システム
運用サービス第二部
インターネット基盤運用グループ 主任
山田 裕也 氏

 
株式会社オーク情報システム 運用サービス第二部 インターネット基盤運用グループ 佐々木 克成 氏

株式会社オーク情報システム
運用サービス第二部
インターネット基盤運用グループ
佐々木 克成 氏

 

株式会社オーク情報システム

本 店 : 東京都墨田区堤通1-19-9
創 立 : 1986年1月27日
U R L : http://www.oakis.co.jp/
ITインフラの最適化を目指し本番システムの仮想化を推進

明治25年の創業以来、約120年にわたって日本の建築業界をリードしてきた大林組。オフィスビルや駅・空港、各種の公共施設など同社が設計・施工を担当した建築物は膨大な数に上る。その中でも、近年特に注目を集めているのが、高さ634m・世界一の自立式電波塔である「東京スカイツリー®」だ。こうした世界にも類をみない建築物を手がけられるのも、同社の設計・技術力の高さを示すものと言えるだろう。
建築のエキスパートである同社は、IT分野での先進企業でもある。2009年より、VMwareをベースとする本番業務システムの仮想化プロジェクトを推進。大林組 グローバルICT推進室共通基盤整備課長 奥田 由起憲氏は「大量の業務サーバ群を仮想環境に統合し、コスト削減や運用管理の効率化を図るのがこのプロジェクトの狙い。サーバ更新のタイミングに合わせて約80台の業務サーバを4台にまで集約する計画です」と説明する。
こうした取り組みを支えているのが、大林組グループのIT企業であるオーク情報システムだ。運用サービス第二部 担当部長 兼 ネットワーク基盤運用グループ長の丸山 千秋氏は「仮想化のメリットが非常に大きかったことから、当初予定していた本番業務系サーバだけでなく、情報共有系サーバの仮想化にも着手する計画です。今後も、仮想環境への集約・統合をさらに推進していきたい」と語る。
また、オーク情報システム 運用サービス第二部 業務システム基盤運用グループ長 川辺浩史氏も「ITインフラの共通基盤化が進むと、万一障害が発生した際の影響も大きくなってしまいます。それだけに、信頼性・安定性の確保にも、細心の注意を払っています」と続ける。

DR用の予備システムも仮想化 VMware HA/vMotionの適用が課題に

同社ではBCPの強化にも以前から取り組んでおり、東京本社が大規模災害などで被災した場合に備えて、大阪にDRサイトを構築・運用している。「毎年6月・11月には、ユーザ部門にも参加してもらい、災害対応訓練も実施しています。この時には、実際にDRサイトの予備システムに切り替え、問題なく業務が行えるかどうかチェックします」と川辺氏は語る。
まさに万全とも言える体制を敷いている同社だが、2010年末にひとつの課題が持ち上がった。丸山氏は「ちょうどこの頃から、DRサイトのサーバ群が更新時期を迎えました。東京の本番システムで仮想化が成功しているのに、大阪の予備システムをまた物理サーバで置き換えるのは問題です。そこで、こちらのシステムについても、今回から仮想化に踏み切ることにしました」と振り返る。
本番システムでの経験もあることから、仮想化についての技術的な問題は特にない。しかし、ここで課題になったのがコストだ。東京の本番システムでは、信頼性・可用性を確保するために、VMware HAやvMotionを活用している。これらの機能を利用するにはSANやNASなどの共有ストレージが必要だが、今回仮想化の対象となるサーバ台数はせいぜい15台程度。しかも、平時には使わない予備システムのために、高額な専用ストレージを導入するのは困難だったのだ。
予備システムでVMware HAやvMotionを使うのは無理なのか。そうあきらめかけた時に、ネットワールドから提案されたのがストレージ仮想化ソフト「StorMagic SvSAN」であった。

StorMagic SvSANを採用し高い信頼性と可用性を確保

StorMagic SvSANは、ESXサーバ上に展開して利用するバーチャルアプライアンス製品である。物理サーバに搭載されているローカルディスクを、仮想的な共有データストアとして利用する機能を提供。これにより外部ストレージがない環境でも、VMware HAやvMotionなどの機能を利用できるようになる。「ネットワールドにデモを実施してもらったところ、SvSANの機能は我々のニーズにピッタリ。まさに渡りに船と、早速導入を決めました」と丸山氏は語る。
VMwareとSvSANによる予備システムは、2011年6月より無事本番稼働を開始。今後、物理サーバの更新に合わせ、予備システムをわずか2台のESXサーバへ集約する予定である。
構築も非常にスムーズに進んだとのこと。オーク情報システム 運用サービス第二部 インターネット基盤運用グループ 佐々木 克成氏は「基本的に導入作業はVMware vCenterにプラグインとして登録するだけ。特に難しい設定などもありませんので、実質一週間ほどで環境を構築できました」と語る。
初めて導入する製品なので、メモリの割り当てなどチューニングの面で迷った点もあったが、これもネットワールドの技術支援を活用することですぐに解決。「テストでは20台程度の仮想マシンを作成して一気にvMotionを実行するなど、厳しいチェックも実施しましたが、性能や安定性の面でも全く問題はありませんでした」(佐々木氏)。
運用のしやすさについても、高い評価が寄せられている。オーク情報システム 運用サービス第二部 インターネット基盤運用グループ 主任 山田 裕也氏は「外部ストレージを導入した場合と全く同じイメージで扱えるのは便利ですね。普段、SvSANの存在を意識することはほとんどありません。各種の設定や確認などもvCenter上で一元的に行えますので、日常的な運用管理作業も非常に容易です」と語る。
ストレージ専用機で共有ストレージを構成する場合には、製品に関する高度な専門知識が要求される場面もある。その点、SvSANには、そうした複雑な部分がないため、実運用を担当する大阪拠点のスタッフへの引き継ぎも一日程度で行えたという。
なお、今回のシステムでは、サーバ本体内蔵ディスクではなく、SAS接続の外付けストレージを使用している。これは仮想化でI/O負荷が高まった際にも対応できるようにとの配慮からだが、その甲斐あって「ストレージ専用機を導入している本番システムと比較しても、全く遜色ないパフォーマンスが確保できている」(山田氏)とのことである。

大林組 構成図

コスト削減に大きく貢献電力使用量の半減を目標

SvSANの導入効果として、川辺氏はまずコスト削減効果を挙げる。「専用の外部ストレージを採用する場合と比較して、SvSANの導入コストは桁がひとつ違います。今回のように、仮想マシンが十数台規模の環境に適用するには、最適なソリューションだと思いますね」(川辺氏)。
従来の物理サーバ群をそのまま設置するとなると、ロケーション費用もかなりの金額に達してしまうが、今回のプロジェクトで仮想化を実施したため、これもサーバ2台分のスペースで済む予定である。さらに、その他にも、サーバの電力消費量を以前の半分以下に削減するなど、様々なメリットが生まれている。
ソリューション提供を行ったネットワールドへの満足度も高い。丸山氏は「SvSANのような効果的な製品の提案は大歓迎。今後の支援にも大いに期待していますよ」とにこやかに語る。
DRサイトの仮想化プロジェクトを無事成功させた大林組は、これからも様々な取り組みを行っていく。「グローバル展開の支援やグループITの全体最適化など、まだまだ取り組むべき課題は多い。今後も情報基盤の高度化に全力を尽くしていきたいですね」と抱負を語る奥田氏。ネットワールドのソリューションが活用される場面も、ますます増えていきそうだ。

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