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導入事例 : 株式会社セガネットワークス

2014.06.05

仮想化

VMware環境のI/O性能向上を目指し「PernixData FVP」を新たに導入ゲームサービス基盤の最適化を実現

株式会社セガネットワークス
本   社 : 東京都港区芝4-4-12
設   立 : 2012年7月2日
資本金 : 1000万円
U R L http://sega-net.com/
業   種 : 情報 / サービス
事業概要 : スマホなどのスマートデバイスを対象としたコンテンツ及びサービス提供を手がける。
 
導入前までの経緯
  • 物理環境で稼動しているDBサーバをVMware環境へ移行し性能/コスト要件の両立を図ること。
  • 事業の成長に伴って増え続ける物理サーバの台数抑制や運用管理負荷軽減を図ること。

導入後期待される効果
  • VMware環境のI/O性能を1.5倍に向上し、高負荷システムにも余裕で対応できる環境を実現。
  • 移行対象の物理サーバ台数を1/5に削減。VMwareとの高い親和性を活かし運用管理の効率化も実現。
プロジェクトメンバー
株式会社セガネットワークス 福留 聖文 氏

株式会社セガネットワークス
事業本部 IT統括部
部長
渡辺 京介 氏

株式会社セガネットワークス 麻生 恭兵 氏

株式会社セガネットワークス
事業本部 IT統括部
麻生 恭兵 氏

 
スマートデバイスをターゲットに多彩なゲームコンテンツを展開

東京都・港区に本社を置くセガネットワークスは、総合エンターテインメント企業(株)セガのグループ企業である。同社ではスマートフォンやタブレットなどのスマートデバイス向けコンテンツ/サービス事業を展開。アーケード/コンシューマーゲームの開発で長年にわたり培った経験と高い技術力を活かし、「ぷよぷよ!!クエスト」や「チェインクロニクル」など、多彩なタイトル群を世に送り出し続けている。
ICT抜きには成立し得ないビジネスだけに、同社では社内で稼動するインフラの最適化にも力を注いでいる。同社 事業本部NW-R&D 部長 渡辺 京介氏は「信頼性・安定性の確保はもちろんのこと、コスト削減や運用管理の最適化にも細心の注意を払っています」と語る。

物理サーバ上で稼動するDBシステムの最適化が課題に

その同社において今回実施されたのが、スマートデバイス向けゲーム事業を支えるサービス基盤の環境改善プロジェクトだ。渡辺氏はその背景を「サービス基盤用のシステム群は全てにおいて高い性能が要求されますが、その中でもお客様のプレーヤー情報などを管理するDBシステムには特に重い負荷が掛かります。仮想環境で動かすのは荷が重いので、ハイスペックなサーバ機にPCI Express接続の高性能フラッシュメモリをストレージ領域として搭載し、物理環境でシステムを動かしていました」と振り返る。また、それ以外の業務サーバや比較的負荷が低いDBサーバについては、VMwarevSphere による仮想環境に集約。「システム要件ごとに『松』と『梅』の環境を用意する」(渡辺氏)ことで、バランスの取れた環境作りを目指してきた。
しかし、この手法にも全く課題が無かったわけではない。同社 事業本部 NW-R&D麻生 恭兵氏は「物理環境を割り当てることで必要な性能を担保できるのは良いのですが、サーバ/ストレージの性能が高いためにシステムによっては能力に余剰が生じてしまう。これも少々もったいない話なので、なんとか改善を図りたいと考えていました」と語る。
システムリソースの有効活用という意味では仮想環境へ移すのがベストだが、現状ではストレージのI/O性能がボトルネックになってしまう。市場に提供されている様々なストレージソリューションも検討してはみたが、なかなか決め手になるようなものはなかったという。
ちょうどそんな時に出会ったのが、VMware環境におけるI/O性能向上を実現する画期的なハイパーバイザソフトウェア「PernixData FVP」であった。バルセロナで開かれた「VMworld 2013」でたまたまPernixData FVPのことを知ったのですが、製品特長が本当ならまさに当社にピッタリのソリューション。これを利用すれば、従来の松と梅に加えて『竹』の環境も実現できます。長年付き合いのあるネットワールドが日本で販売を手がけるということでしたので、早速導入に向けた取り組みに着手しました」と渡辺氏は説明する。

PernixData FVPを採用しVMware環境の性能を改善

今回採用されたPernixData FVPは、仮想環境を構成する複数の物理サーバに搭載されたフラッシュデバイスをクラスター化して、キャッシュとして利用できるようにするソリューションだ。各フラッシュデバイスはクラスタ化され一つのプールとして管理され、ネットワークでつながっている他のサーバからも利用することができる。しかもフラッシュデバイス搭載サーバをシステムに追加していくだけで、システムの性能をシームレスにスケールアウトすることが可能だ。
「特に気に入ったのが、リードだけでなくライトでもキャッシュが効くという点です。サービス基盤用システムのI/O比率はリードが2割、ライトが8割なので、リードキャッシュしか効かないソリューションに多額の投資を行うのは難しい。その点、PernixData FVPなら、システムの性能を効果的に向上させられます」と渡辺氏。また麻生氏も、「PernixData FVPで性能を確保しておけば、その後ろにあるストレージは別にハイエンド製品である必要はありません。こちらには安価なストレージを適用し、システムコストを下げることもできます。性能と容量を別々に考えられるのは、非常に大きなメリットだと感じましたね」と続ける。
VMware環境との親和性の高さも大きなポイントとなった。PernixData FVPは、VMware vSphereのカーネルモジュールとしてインストールされるため、ゲストOS用のエージェントや仮想アプライアンスなどは一切不要。しかもVMware vMotionやHA、DRSなどの高可用性機能もそのまま利用することができる。「VMwareの機能で信頼性・可用性を確保できれば、運用管理の手間が新たに増えてしまう心配もありません。管理者の時間を有効に活用できるということは、業務面でも大きなメリットとなります」と渡辺氏は語る。

株式会社ドクターネット 構成図

50%の性能アップを実現サーバ台数は従来の1/5に

ビジネスの根幹を支える重要なシステムだけに、導入にあたってはネットワールドと共同で綿密な検証も実施された。麻生氏は「最も性能が発揮できる構成を探るために、実環境と同等の環境を当社社内とネットワールドの両方に用意。ESXとPernixData FVPのバージョンやドライバをいろいろな組み合わせで試すなど、様々な検証を行いました」と説明する。その結果、PernixData FVPなしの環境と比較して、ベンチマークで約1.5倍、実アプリケーションでは20倍もの性能向上が実証できたとのこと。「導入が容易であることも謳い文句通りでしたね。PernixData FVPに関わる部分だけで言えば、ものの数分で作業が行えます」と麻生氏は語る。
「これくらいのパフォーマンスが確保できれば、従来物理環境で稼動していたシステムの一部を問題なくVMware環境へ移行できます。これにより、対象となる物理サーバ台数を1/5程度に減らせると見込んでいます。ビジネスの成長に伴ってサーバが増え続けていただけに、台数削減が図れるのはありがたい」と渡辺氏は語る。
ネットワールドのサービス・サポートに対する満足感も高い。麻生氏は「質問や問い合わせに対する回答もスピーディですし、メーカーとも密接に協力して我々を支援してくれます。今回のプロジェクトでも、非常に安心感が高かったですね」とにこやかに語る。
同社では、より安価なフラッシュデバイス搭載ストレージ製品への適用など、PernixDataのさらなる活用も検討していく考えだ。渡辺氏は「新たな分野へのチャレンジが当社のポリシーですので、我々も持ち前の技術力を活かして新規サービスの創出に挑んでいきたい。今後のネットワールドの提案にも大いに期待しています」と語った。

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