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導入事例 : 株式会社ネットワールド

2014.05.12

ネットワーク・ストレージ

新ファイルサーバをNetApp FAS2240で構築 clustered Data ONTAP 8.2を採用し柔軟かつスケーラブルな環境を実現

株式会社ネットワールド
設   立 : 1990年8月1日
資本金 : 5億8500万円
U R L http://www.networld.co.jp/
業   種 : 情報 /サービス
事業概要 : 先進的なIT製品/サービスを提供する ITソリューション・ディストリビューター
 
導入前までの経緯
  • NetAppの新OS「clustered Data ONTAP」の中小規模システムにおけるメリットを検証すること。
  • データ増大に伴うバックアップの長時間化や事業継続性強化などの業務課題を解消すること。

導入後期待される効果
  • 自社ファイルサーバへの導入を通してノンストップ運用の有用性やスケーラビリティの高さを実証。
  • SnapMirrorによるDtoDバックアップで処理時間の大幅短縮と遠隔レプリケーションを実現。
プロジェクトメンバー
遠藤 孝之

株式会社ネットワールド
取締役
管理本部長
遠藤 孝之

山郷 勝

株式会社ネットワールド
情報システム室
部長代理
山郷 勝

 
高田 悟

株式会社ネットワールド
ストラテジック・プロダクツ営業部
課長
高田 悟

重原 智幸

株式会社ネットワールド
SI技術本部 ストレージ基盤技術部
ストレージソリューション第1グループ
課長代理
重原 智幸

 
多彩なIT製品/サービスを提供し企業ITインフラの変革に貢献

 IT製品の総合商社として、数百メーカー・数万点にも及ぶプロダクトを取り扱うネットワールド。その最大の強みは、単なる製品販売に留まらない「Value Added Distributor」である点だ。取締役 管理本部長 遠藤 孝之は「より付加価値の高いソリューションをご提供するために、当社では技術力やサポート力の強化に力を注いでいます。社員の約1/3は技術者であり、様々な分野における先進技術を意欲的に蓄積。これを豊富な導入実績で培った経験・ノウハウと組み合わせることで、お客様に最適な製品、サービスをご提案しています」と語る。 
先進的なITインフラを実現する取り組みは、社内業務用のシステム環境でも展開されている。情報システム室 部長代理 山郷 勝は「安定稼動が第一である点はもちろんですが、当社にはお客様に最適なソリューションを提供する使命があります。そこで有望な商材については、自社環境に導入してその効果を確かめるといったことも行っています」と語る。

clustered Data ONTAPの効果を検証すべく社内導入を実施

こうした活動の一貫として今回実施されたのが、NetApp社製ネットワークストレージ「NetApp FAS2240」による全社ファイルサーバ再構築である。 
SI技術本部 ストレージ基盤技術部 ストレージソリューション第1グループ 課長代理重原 智幸は「NetAppのストレージOS『DataONTAP』には、従来の『7- mode』に加えて『clustered Data ONTAP(以下:cDOT)』が新たに実装されました。ここではスケールアウト型の拡張やノンストップ運用、QoSによるセキュアマルチテナンシーなど、数多くの新機能がサポートされていますが、当社ではFAS2200シリーズでの導入実績がまだありませんでした。そこで全社ファイルサーバに採用し、その効果を検証したいと考えたのです」と語る。 
また、ストラテジック・プロダクツ営業部課長 高田 悟も「クラウド環境などの大規模システムで、cDOTが大きな効果を発揮するのは間違いありません。しかし、中小規模システムにおいて、ごくシンプルな使い方をするような場面でも本当にメリットがあるものなのか。これを確かめるには、当社ファイルサーバで使ってみるのが一番だと考えました」と続ける。 
とはいえ、日々の社内業務に利用されている重要なファイルサーバであるだけに、実際に導入するとなると難しい点もあった。特に今回は一般的な再構築案件と異なり、これまで利用してきたFAS2040Aの性能・信頼性に大きな不満があったわけでもないのである。「但し、データ容量の増大に伴ってバックアップ時間が長くなっている、社内クライアントのVDI化に向けてストレージの強化が必要など、いくつかの懸案事項もありました。そこで我々情報システム部門としてもプロジェクトの主旨に賛同し、cDOTの検証と業務課題解消の両方を狙うこととしました」と山郷は語る。

新環境へのスムーズな移行を実現 “ノンストップ”のメリットを体感

実際の構築作業は2013年11月より開始。社内LAN上に2台のFAS2240A-2を追加し、既設のFAS2040Aからのデータ移行を進めて行った。「通常のファイルサーバ再構築案件においても、データ移行は最も敷居の高い作業の一つ。しかも今回は7-modeからcDOTに変わるということで、従来の手法も使えません。このフェーズをスムーズに乗り切れるかどうかが、今回のプロジェクトにおける重要なポイントでした」と高田は説明する。 
ここで役立ったのが、NetAppのデータ移行支援ツールである「7-mode Transition Tool」(7MTT)だ。重原は「7MTTは非常によく出来たツールで、操作性にも優れています。ボリューム、クォータ、Snapshotなどの設定情報もそのまま新しい環境に引き継いでくれるので、後からチューニングをやり直したりする必要もありません。おかげで手間や時間を掛けることもなく、効率的に移行作業を行えました」と語る。 
ノンストップ運用を実現するcDOTの新機能も大きな威力を発揮している。重原は「導入後にポート冗長化機能の設定変更を行ったのですが、特定の論理インターフェイス(LIF)を動的に任意の物理ポートに割り当てる『LIFマイグレーション』機能を利用することで、オンラインのまま作業が行えました。また、既設FAS2040Aに接続していたSATAディスクシェルフを今回導入したFAS2240A-2でも再利用しているのですが、ディスク装置間での透過的なボリューム移動を実現する『Transparent Vol Move』を用いることで、SAS領域からSATA領域へ無停止でボリュームを移動させることができました」と説明する。 
FAS2240A-2とcDOTによる新ファイルサーバは、2013年12月より無事本稼動を開始。データ移行も含めたトータルな移行期間は約1 ヶ月だが、実質的な構築期間はわずか2日程度で済んでいる。「今回は7-modeからの移行ということもあり、休日出社して切り替え作業を行っています。しかし、次回リプレースを行う際には、cDOTの特長を活かして完全ノンストップで作業を行うことが可能。しかもスケールアウト型拡張をはじめとする新たなメリットも享受できます」と高田は語る。ちなみにNetApp社のイベントで今回の事例を紹介したところ、講演内容に対する満足度評価で見事No.1を獲得したとのこと。cDOTに対する関心が一段と高まっていることが伺える。重原は「当社でも今回のプロジェクトの成功を踏まえて、cDOTの導入・活用に関わるお客様の不安を解消していきたい」と続ける。

株式会社ネットワールド 構成図

バックアップ業務の効率化も実現 顧客へのソリューション提供を推進

今回のプロジェクトでもう一つ見逃せないのが、業務上の課題も効果的に解消できた点だ。「以前はテープベースでのバックアップを行っていたため、土日の2日間を費やしてもフルバックアップが完了しないケースがありました。しかし、NetAppの筐体間レプリケーション機能『SnapMirror』によるDtoDバックアップに変更したことで、約1時間程度でバックアップ作業を終えられるようになりました」と山郷は語る。今後はバックアップ用として導入したFAS2220を大阪に移設し、事業継続対策にも役立てていく予定だ。 
「ストレージが変わったことにユーザーが気付かないほどスムーズな移行が行えましたし、今後VDIの導入が本格化した際にも余裕を持って対応できます。全社I Tインフラの最適化という観点においても、今回のプロジェクトは大きな意義がありましたね」と遠藤は満足げに語る。 
「cDOTはファイル共有プロトコル『SMB3. 0』やオフロードデータ転送機能『ODX』にも対応していますので、Windows 8/WindowsServer 2012環境におけるメリットも大きい。今後はこうした便利な機能を活用したソリューションも積極的にご提案してきたいと思います」と高田は抱負を語った。

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