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導入事例 : 医療法人明仁会 かないわ病院

2014.02.26

仮想化・シンクライアント/ネットワーク・ストレージ

EMC Data Domainによる重要業務データの遠隔バックアップを実現 業務システムの仮想化とファイルサーバ統合にNetApp FAS2220Aを活用。

医療法人明仁会 かないわ病院
所在地 : 石川県金沢市普正寺町9-6
設   立 : 1956年6月
病床数 : 189床(指定病床5床) / 病棟数:4棟
U R L http://www4.ocn.ne.jp/~kanaiwa/index.html
業   種 : 医療機関
事業概要 : 地域精神医療の中核を担う病院。精神科、児童 精神科、心療内科、内科の4診療科を展開。
 
導入前までの経緯
  • 大規模自然災害などが発生した際にも、重要な患者情報を確実に守れる仕組みが求められていた。
  • 診療情報の効率的な利活用や医療スタッフの業務標準化を支援できるICTインフラを目指した。

導入後期待される効果
  • NetAppの「SnapMirror」機能を利用し、患者情報をはじめとする重要データの遠隔保全を実現。
  • 各種業務システムとデスクトップ環境をVMware上に集約。セキュアで一元的な情報活用が可能に。
プロジェクトメンバー
大西 義則 氏

医療法人明仁会
かないわ病院
事務長
大西 義則 氏

河原 直人 氏

医療法人明仁会
かないわ病院
IT管理課
主任 医療情報技師
河原 直人 氏

 
川上 正春 氏

富士ゼロックス北陸株式会社
ソリューションサービス統括部
システムエンジニアリング部
SE2課
課長
川上 正春 氏

岡田 東久 氏

富士ゼロックス北陸株式会社
営業統括部
メディカルソリューション営業課
岡田 東久 氏

 
高い専門性を活かして地域の精神科医療に貢献

北陸の古都・金沢市郊外に位置するかないわ病院は、精神科医療を専門に手がける病院である。同病院の事務長を務める大西義則氏は「精神科医療では治療に時間を要することも多く、一般疾病とは異なるケアや治療体制が要求される場面も少なくありません。当院では高い専門性を備えた医師、看護師が最適な医療サービスをご提供すると同時に、ご家族など関係者の方々にも参加して頂いて、患者様の症状改善に取り組んでいます」と説明する。 
厚労省が推進する医療計画の五大疾病の一つに加えられるなど、精神科医療の社会的重要性は一段と高まりつつある。同病院では、専門病院ならではの知識と経験を活かし、地域における精神医療福祉の浸透と障がい者の自立促進に全力を尽くしているのである。

業務改善とBCP強化を目指し新医療情報システムを構築

近年では医療分野においても、ICTの利活用を図る動きが強まっている。同病院でも、電子カルテを含む新たな医療情報システムの導入に踏み切った。大西氏はその背景を「精神科医療においては、医師や看護師、様々な職種のスタッフが気付いた情報をお互いに共有し、治療に活かしていくことが重要になります。電子カルテを利用すれば、こうした業務をより効果的に進めることが可能。またICT化を推進することで、院内業務の標準化や医療サービス品質向上を図りたいとの思いもありました」と説明する。 
とはいえ、新たなインフラを構築する上では、解決すべき課題もあった。同病院IT管理課 主任 医療情報技師 河原 直人氏は、「まず一点目は、高い信頼性・可用性の確保です。新システムは日々の業務を支える重要な基盤ですから、安定動作が実現できないとスタッフの信頼も得られません。また、二点目は、現場のユーザーに負担を掛けることなく高いセキュリティを確保するということです。USBメモリの使用禁止を呼びかけるよりも、最初から使えない仕組みを作っておけば問題は起きません」と語る。 
さらにもう一つ重要なポイントが、大規模災害への対応だ。同病院は日本海を目前に望む犀川の河口に建っているため、地震や津波の被害などにも万全の対策が求められた。「もし診療情報が失われるようなことがあれば、患者様にも大変なご迷惑をお掛けすることになります。そこで重要なデータについては、遠隔地での保全も行いたいと思いました」と河原氏は続ける。
こうした要件を満たすものとして選ばれたのが、ネットワールドが提供するサーバ/デスクトップ仮想化ソリューション「VMwarevSphere」「VMware Horizon View」、並びにNetApp社製ネットワークストレージ「NetApp FAS2240A」である。 
今回のプロジェクトを支援した富士ゼロックス北陸の岡田 東久氏は「新システムに欠かせない高信頼・高可用性を実現する上で、最適な組み合わせとして選んだのが今回の構成です。サーバにも無停止サーバを採用し、ダウンタイムを極限まで減らしています」と語る。また同 川上 正春氏も「サーバ仮想化基盤に採用したVMware vSphereは、当社での導入実績も豊富であり安心してご提供できます。またデスクトップ仮想化基盤についても、高い親和性を確保できるという観点から、同じVMwareのHorizon Viewを選びました」と続ける。

VMwareによる仮想化基盤を構築し安全で効率的な業務環境を実現

今回新たに構築されたシステムでは、3台の無停止サーバ+VMware vSphereによる仮想化基盤上に約30台の仮想サーバを構築。電子カルテや医事会計システム、画像診断システムなどの医療系システムのほか、人事給与や勤怠管理などの事務系システムも稼動させている。中にはVMware上での動作が保証されていない製品も存在していたが、徹底した事前検証を行うことで無事仮想化を実現したという。
また、デスクトップ環境については、従来のWindows XP搭載PCに代えて、ゼロクライアント端末を採用。病院内では専門職のスタッフが多いため、それぞれのユーザーの業務に沿ったデスクトップ環境を個別に用意。但し、一般業務用などの環境については、できるだけ標準化して効率化を図っている。最終的には約100台分のデスクトップ環境をVMware Horizon View上に集約する予定だ。 
「サーバ仮想化にはある程度の初期投資が必要ですが、長く使うことを考えると決して費用対効果は悪くない。しかも運用管理が行いやすい、検証用環境を簡単に立ち上げられるなど、物理環境にはないメリットも享受できます」と河原氏。VMware HorizonViewによるデスクトップ仮想化の効果も大きく、セキュリティやパフォーマンスの向上が図れたとのことだ。「今まで使っていた物理PCよりも速いくらいなので驚きましたね。医療画像の活用なども問題なく行えます」(河原氏)。

かないわ病院 構成図

重要業務データの遠隔保全をNetAppのSnapMirrorで実現

本プロジェクト最大の懸案であった重要業務データの遠隔保全については、NetAppの機能である「SnapManager for VirtualInfrastructure」(SMVI)や「SnapMirror」が威力を発揮。前者のSMVIはVMwareとNetAppのSnapshotを自動連携させる機能であり、仮想環境のバックアップ/リストアを容易に行うことができる。今回はこれをさらにミラーリング機能であるSnapMirrorと組み合わせ、東京のデータセンタに配置したもう一台のNetApp FAS2220への自動遠隔レプリケーションを実現している。 
「システムの仮想化に踏み切る際に、一番気にしたのがストレージでした。仮想化によるオーバーヘッドの影響を最小限に抑えるためには、できるだけ高速かつ高信頼な製品が望ましい。その点NetAppは十分我々の期待に応えてくれた上に、SnapMirrorによる患者様データの遠隔保全も実現できました。非常にいい選択でしたね」と河原氏は満足げに語る。 
ネットワールドの支援に対する評価も高い。川上氏と岡田氏は「VMwareやNetAppに関する技術支援はもちろん、質問や問い合わせへの対応も迅速で非常に助かりました。これからもぜひ同様のサポートをお願いしたい」と口を揃える。 
今後に向けた抱負を「今回の新システムについては、業務効率化による労働環境改善などの面でも大きな効果を見込んでいます。このメリットを活かして優秀なスタッフを集め、さらなる医療サービス品質向上を目指していきたい」と語る大西氏。VMwareとNetAppも、地域精神医療を支える重要なインフラとしての役割を担っていく。

パートナー概要
富士ゼロックス北陸株式会社
本   社 : 石川県金沢市中橋町11-18
設   立 : 1981年11月
U R L http://www.fujixerox.co.jp/hrx/
富士ゼロックス北陸株式会社
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