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導入事例  : 株式会社中外

2012.09.24

VMware Viewによる仮想デスクトップ基盤に「NetApp FAS2240」を新たに採用
バックアップ効率化とリソース有効活用に成功

自動車部品製造と各種産業用部品の販売を手がける株式会社中外様(以下、中外)では、2010年に仮想デスクトップ基盤「VMware View」によるクライアント仮想統合を実施しました。これにより業務効率化や生産性向上に成功した同社では、その効果をさらに高めるべく適用領域の拡大に着手。ここで課題となったのが、ストレージ環境の見直しです。従来のストレージは性能や容量が不足してきた上に、バックアップに長い時間が掛かる、障害が多いなど、様々な問題を抱えていたからです。こうした点を解消すべく、同社ではネットワールドが提供するネットワークストレージ「NetAppFAS2240」を採用。性能・信頼性を大幅に向上させると同時に、バックアップ時間の劇的な短縮やリソースの有効活用など、数多くのメリットを実現しています。

株式会社中外システム管理室 主幹(課長)高橋 正 氏

株式会社中外
システム管理室 主幹(課長)
高橋 正 氏

株式会社中外システム管理室宇佐美 伸次 氏

株式会社中外
システム管理室
宇佐美 伸次 氏

 

株式会社中外

本  社 : 名古屋市中区千代田5-21-11
設  立 : 1948年9月6日
売 上 高 : 346億円(平成23年10月期)
従業員数 : 315名
U R L : http://www.chg.co.jp/
概  要 : 自動車部品の製造・販売、並びに半導体、電子材料、電子部品、光学部品、電気電材機器製品、化成品、繊維機械、物流・作業機械等の販売を手がける企業。「開発・生産・販売の総合コーディネータ」を事業コンセプトとして掲げ、幅広い業界のニーズに応え続けている。
中部テレコミュニケーション株式会社営業本部 ソリューション推進部SE2グループ中村 三男 氏

中部テレコミュニケーション株式会社
営業本部 ソリューション推進部
SE2グループ
中村 三男 氏

中部テレコミュニケーション株式会社ソリューション営業部アカウント営業第2グループ 主任栗木 智秋 氏

中部テレコミュニケーション株式会社ソリューション営業部
アカウント営業第2グループ 主任
栗木 智秋 氏

 

中部テレコミュニケーション株式会社

本  社 : 名古屋市中区錦1-8-8
設  立 : 1986年6月3日
U R L : http://www.ctc.co.jp/
最適な業務環境の実現を目指し デスクトップ仮想化に踏み切る

名古屋市・中区に本社を置く中外は、商社と製造の二本柱でビジネスを展開している企業である。同社システム管理室 主幹(課長)高橋 正氏は「当社は元々商社として設立されましたが、1970年より自動車部品の製造ビジネスにも参入しました。現在も防音部品を中心に様々な自動車製品を製造しています。また、近年ではGPSユニットや各種センサ、LEDモジュールなどの電気・電子部品、塗料、化学材料などの化成品も取り扱っており、国内の大手自動車メーカや電子・電気メーカに納入しています」と説明する。
ビジネスのグローバル化が加速する中、同社でも中国や東南アジア地域などへの展開を推進している。これに伴って、業務を支えるI Tインフラにも大きな変化が生まれている。「今後のグローバル時代に対応する上では、24時間・365日いつでも利用できる情報基盤が不可欠になります。我々システム部門でも、システムの高信頼化を図るなど様々な取り組みを行っています」と高橋氏。また、同社 システム管理室宇佐美 伸次氏も「社員が働きやすい環境を提供することが我々の役目ですので、現場ニーズの把握に努めるようにしています」と続ける。
そうした取り組みの一貫として2010年に実施されたのが、仮想デスクトップ環境の構築である。高橋氏はその背景を「当社の拠点は全国に拡がっているため、以前はクライアントPCのセットアップや障害対応に多くの工数と手間が掛かっていました。作業の間は社員の仕事が止まってしまう上に、情報システム部門としても本来の業務に集中できない。そこで、デスクトップ仮想化に踏み切ったのです」と説明する。

高い性能と信頼性を評価し「NetApp FAS2240」を採用

全国140名のユーザを対象に実施されたデスクトップ仮想化は、早速大きな効果を挙げた。ユーザはPCの故障などで仕事が止まる心配がなくなった上に、システム管理室の運用管理負担も大幅に軽減できた。高橋氏は「障害対応を夜間や休日に行うことも多かったので、現場へ駆け付ける必要が無くなったのは非常にありがたかった」と振り返る。 
ちなみに、今回のプロジェクトでは、デスクトップ仮想化のインフラに「VMware View」を採用している。高橋氏はその理由を「業務によっては映像監視などを行うケースもあるので、動画がきちんと転送できる製品を選びたいと考えました。その点、VMware Viewの転送プロトコルである『PCoIP』は、帯域や映像品質を細かく制御できるため、こうした用途にも最適です」と説明する。 
VMware Viewの導入効果を高く評価した同社では、仮想デスクトップの適用領域をさらに拡大することを決断。ただし、ここで問題になったのが、システムやデータを格納するストレージである。
「以前はFC接続のSANストレージを使用していたのですが、容量が不足してきた上に、バックアップに長い時間が掛かる点も問題でした」と高橋氏。140台分のデスクトップ環境をバックアップするのに、毎日8時間を要していたという。また、もう一つの問題は信頼性・可用性だ。従来のストレージではコントローラやディスクに故障が頻発しており、その対応に追われることも少なくなかった。 
同社ではこれらの課題を解消すべく、新たなストレージ製品の選定に着手。ここでITパートナーである中部テレコミュニケーション(以下、CTC)から提案されたのが、ネットワールドが提供するネットワークストレージ「NetApp FAS2240」である。CTCの中村 三男氏は、そのポイントを「当社のクラウドサービスでもNetApp製品を導入しており、その信頼性・可用性には高い信頼を置いています。また、エントリからハイエンドまで同じOS『DataONTAP』で稼働するNetAppは、将来的な拡張性の面でも安心できます。しかも、ちょうど提案時期にリリースされた『FAS2240』は、性能とコストのバランスも非常に優れていましたので、今後に向けた新たなストレージ基盤としてご提案しました」と説明する。

「SMVI」などの機能を活用しバックアップ業務を改善

NetApp FAS2240による新ストレージ基盤は、2012年5月より本番稼働を開始した。旧ストレージからの移行についてもほとんどトラブルはなく、極めてスムーズに進んだ。 
仮想デスクトップ環境を集約したブレードサーバとは10GbE対応のスイッチで接続しており、FC接続だった旧ストレージと比較しても遜色のないレスポンスを確保した。ネットワーク経路やスイッチはすべて冗長化し、万一障害が起きた時にも稼働を継続できるよう工夫されている。なおNetApp製品の大きな特長として、様々なストレージプロトコルに対応できる「ユニファイドストレージ」である点が挙げられるが、今回のプロジェクトでは主にNFSとCIFSを採用。将来的には、FCやiSCSIなど他のプロトコルの利用も検討するとのことだ。 
懸案であったバックアップについては、NetAppの機能である「SnapManager forVirtual Infrastructure」(SMVI)を活用している。これはVMwareのSnapshot機能とNetAppのSnapshot機能を自動的に連携する機能で、面倒なスクリプトなどの作り込みを行うことなく簡単にバックアップ/リストアが行える。また、今回はNetAppのミラーリング機能である「SnapMirror」も活用。バックアップ用に用意されたもう一台のNetApp FAS2240へのミラーリングを行うことで、重要データの確実な保全を実現している。ちなみにこちらのストレージについては、バックアップ用途だけでなく、Windowsクライアント向けのファイルサーバとしても活用しているとのことだ。

株式会社中外

重複排除機能が絶大な効果データ容量が以前の20〜30%に

今回のプロジェクトの効果として、高橋氏はまずバックアップの効率化を挙げる。「以前は8時間掛かっていたバックアップが、現在ではわずか15分程度で完了します。今後仮想デスクトップの数が増えた際にも時間が大幅に伸びる心配はありませんし、リストアの確実性も格段に向上しました」と高橋氏。 
もう一つ大きい点は、NetAppの圧縮・重複排除機能によるリソース有効活用だ。高橋氏は「デスクトップ仮想化ではデータの共通部分が多いので、重複排除の効果が特に大きく現れるという印象ですね。実際に当社の環境でも、台数を190台に増やしたにも関わらず、旧ストレージと比較して容量を20 〜 30%程度に抑えられています」と満足気に語る。旧ストレージでは、ピーク時にI/O負荷が上昇してレスポンスに影響を与えるケースもあったが、NetAppの導入以降はこうした問題も解消したとのことだ。 
VMware環境との親和性が高く、運用管理が容易な点も見逃せない。宇佐美氏は「システムの面倒を見る立場としては、運用に手間が掛からないというのは重要なポイントです。少人数で効率的な管理が行えるというのは非常にありがたいですね」と語る。 
ネットワールドのサービス・サポートにも、高い評価と期待が寄せられている。CTCの栗木 智秋氏は「ネットワールドには日頃から様々な支援を提供してもらっており、当社としても非常に助かっています。今後もお客様の業務課題を解消する提案を積極的に行っていきますので、その下支えをお願いしたいですね」とにこやかに語る。 
同社では今回構築したインフラを、グローバルビジネスを支えるツールとしても活用していく構えだ。「今後は中国の拠点などからも、社員が自在に情報を活用できる環境を実現していきたい。また国内での展開も加速し、将来的にはすべてのクライアントをVMware Viewへ移行できれば」と抱負を語る高橋氏。同社のような中堅企業にとって、仮想デスクトップ+NetAppは非常に強力な武器になると続ける。先進ITを活かしてさらなる飛躍を目指す同社の今後が非常に楽しみだ。

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