ECサイトを1ヶ所の拠点で構築している場合、サーバ設置場所が自然災害等でダメージを受けてダウンしてしまうと、運営企業にとってそのサイトで提供しているサービスが重要な事業であるほど損害が大きくなる。
ECサイトを構築しているサーバを1ヶ所だけではなく地理的に離れた場所にも設置し、ある地点でサイトの稼働が不可能になったとしても別の場所で運営しているサーバによってサービスを継続できるように備える事が必要になる。
複数拠点で構築しているサイトへアクセスを分けるだけであれば、DNSへ各サイトのIPアドレスを登録する方法もある。しかしこの方法では各サイトがどのような状態にあるかに関係なく各サイトのIP アドレスを返答してしまう為、振り分けた先のサイトがダウンしている可能性もある。これではサービスを継続させる事にならない。
イコライザーには「ENVOY」と呼ばれる広域負荷分散機能がある。
通常イコライザーは配下に設置したサーバ群に対してクライアントからのアクセスを分散するが、このEOVOYの機能はその分散対象を地理的に離れた場所に設けたWEBサイトを対象にアクセスを振り分ける事ができるものである。
しかもこの機能はライセンス追加する事で利用する事ができるようになり、別の機器を購入する必要はない。つまり1台のイコライザーで広域負荷分散とサイト内のサーバに対する負荷分散の両方を実現する事が可能なのである。
サイトを構築した拠点全てにイコライザーを設置し公開 URLを決定したら、そのURLのドメインを管理しているDNSに「公開 URL のネームサーバは各拠点の Equalizer である事」を設定する。 これでローカルDNSからIPアドレスの問合せを受けた際に、各拠点に設置したイコライザーが提供可能なアドレスを回答する。
それを受けたローカルDNSは各拠点のイコライザーへアドレスの問い合わせを行うが、その際、イコライザーが4つのポリシーに基づいてアクセスさせるWEBサイトのIPアドレスをDNSへ返す。
1.各サイトからのpingレスポンスの値を他の項目よりも優先する
Round trip (ラウンドトリップ)
2.各サイトの負荷状況と1.のRound tripとを、おおよそ同等に計算する
Adaptive(アダプティブ)
3.各サイトへの負荷状況を優先的に計算する
Site load (サイトロード)
4.各サイトに設定されたWeight値を優先的に計算する
Site weight(サイトウエイト)
これらの負荷分散方式によってアクセスが振り分けられるサイト(IPアドレス)が決定し、各DNSを通じてクライアントへ返される。しかもそれぞれのイコライザー同士はENVOYの機能によって死活監視を行っており、ダウンしているサイトにはアクセスを振り分けない。
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